土台設置・補強 廊下編 ~初めて仕口を刻む~

基礎状態から仕口を刻んだ土台へのビフォー・アフター 廊下

間取り変更に伴い基礎を増設しました。
また、1部のブロック基礎を鉄筋コンクリートの基礎へ置換しましたので今から土台を付けていきます。

施工済み基礎

こうなる予定です。

施工済み基礎間取り位置と土台位置

仕口について

当方仕口を刻む事にあまり興味がなくて当初は仕口なしで金物で繋ぐ方法を考えていました。
業界用語で「イモ」というらしい。
でも「折角基礎造ったリビングの入り口だしちゃんとしたいなぁ・・・」と考え直し面倒ですが初めて本格的?に仕口を彫ってみる事にしました。

よく見る仕口の方法

仕口の3Dイラスト

木と木をがっちり固定するために相互に形を刻んではめ込むという正に職人芸というような接合方法で
中には物凄く複雑だったり、神がかったような美しい形の仕口を見かけたりします。
ちなみに調べるとこの刻み方は「蟻(アリ)」っていうそうです。

仕口の種類を選択

んで、一般的によく使われる仕口のひとつに「大入れ蟻掛け」というのがあるようでコレをやってみる事にしました。
以下各所仕様です。

それぞれの仕口のタイプ設定を入れた基礎写真
  • A:大入れ
  • B:大入れ蟻掛け
  • C:大入れ蟻掛け
  • D:大入れ
  • C:大入れ蟻掛け

既存土台が関係する箇所は彫って失敗すると致命的なので細かく彫る事はせず「大入れ」にして金物で補強する事にします。

仕口の寸法を考える

ネットで調べたところ、仕口の寸法に厳密な決まりは無いようですがある程度バランスがあるみたいです。
寸法はざっと書いたスケッチのような感じで行こうと思います。
なお、当方調べですが今回行う仕口の寸法は平均的か少し浅いくらいではないかと思われます。

仕口の寸法スケッチ

いざ仕口刻み

ネット上の先生達の情報を拝見しイメージトレーニングし仕口へ挑みます。

Aポイント(メス)

先ずは簡単そうな「大入れ」のメス刻みから

大入れメス刻み1

縦にディスクグラインダーにノコ歯を付けたヤツで切れ目を入れました。個人的には一番コワイ工具です、落ち着いて無理せず姿勢に気を付けて使いました。

大入れメス刻み2

切れた箇所をハンマーで割っていきます。怖いから切れ目が太いですね。

大入れメス刻み3

ホールダウンコーナー用のアンカーボルトが邪魔で残りは斜めに切れ目を入れました。

大入れメス刻み4

後はノミで切れていない箇所を彫っていきます。

大入れメス出来上がり

完成

これってクオリティ的にどうなのよ?

ネットには沢山プロの美しい画像が上がってますがそれとの比較してもアレなんで
もう少し現実的な比較をしてみます。

既存の大入れメス刻み

コレ
既存大引きの仕口です。
これも50年前のプロの仕事でしょ?
これと同等かマシくらいだと判断、OK!!

Bポイント(オス)

大入れオス刻み1

オス側加工。
これは比較的簡単です。

仮付け

12mmのアンカーボルトに対して14.5mmの穴をドリルで空けます。

新規土台のアンカーボルト穴

入れてみます。

アンカーボルト穴を空けた新規設置土台

上手く入りそうです。
ベストか僅かに大きい感じです。
ガッチガチで強そうでした。
叩くとガッチリ入りそうです。

大入れオスを刻んだア新規設置土台を大入れメスを刻んだ既存土台と接合

そんな事よりホールダウンアンカーがずれている

ホールダウン金物用の16mmアンカーがずれています。
筋交いを入れる予定で中心からずらしていたのですがずれ過ぎてます。
コンクリート打設前に再チェックしてやり直したのが改悪でした・・・何てこったい。
予定より10mm程ずれてます・・・

予定よりズレテいたホールダウンアンカー

もうどうしようもないのでこのままいきます。
チィクショーーーーー!!!キーーーーーーーーーーッ!!!

ポイントB 大入れ蟻掛けオス

では、いよいよ「大入れ蟻掛け」のオスをやってみます。
ここから始めるのは他に比べて寸法が短いので失敗してもダメージが軽いからです。

墨付け。

大入れ蟻掛けのオス墨

短いので立てて水平に丸ノコを入れる事が出来ました。

大入れ蟻掛けのオス切り込み

大入れの部分のカット完了
カットした部分に更に墨付け

大入れ蟻掛けのオスカット中1

正確なカットであり、かつ角度さえ決めれば綺麗に切れる・・・

大入れ蟻掛けのオス丸ノコでカット中

なんて甘くありませんでした・・・
手首が動いてしまったようです。
右は墨より深く切りすぎです。

大入れ蟻掛けのオス丸ノコでカット微妙に失敗?

切り出しは角度が合ってても手首が動いてしまったようです。

大入れ蟻掛けのオス丸ノコでカット後のズレ

う~んどうしよう・・・
一旦最後まで加工してみます。

大入れ蟻掛けのオス丸ノコでカット

メス側の墨も付けて

大入れ蟻掛けのメス墨

横に置いて眺めてみます。

大入れ蟻掛けのメスの墨と出来たオスを並べる

・・・・・・・・・・・・・

破棄

切り過ぎた箇所が目ざわりです。

やり直し

未だ寸法が残っていますのでやり直します。
今度こそ・・・

大入れ蟻掛けのオス加工1

切りすぎないように・・・

大入れ蟻掛けのオス加工2

安全第一、大きけりゃ削ればいい

大入れ蟻掛けのオス加工3

ヤスリ掛けで少々ささくれだってますがこれで行きます。

ちなみに

3回やり直してます。

やり直した大入れ蟻掛けのオス加工

1つ捨ててしまって画像は2つですが採用はVer4です。

ポイントB 大入れ蟻掛けメス

墨付けして高さの限度にテープを巻いてドリルで穴を空けます。

大入れ蟻掛けのメス加工1 ドリルで穴

大入れとメスの部分に丸ノコを複数回入れて

大入れ蟻掛けのメス加工2 欠き込み

ハンマーで割って

大入れ蟻掛けのメス加工3 掘る

ノミで削ります。

大入れ蟻掛けのメス加工4 更に掘る

こんなモンでしょうか。

大入れ蟻掛けのメス加工5 完了

遂に接合

やっと接合
面取りしているので少し空いてるように見えますが実際にはそんなに隙間は空いてないです。
結構マシ目なのではないでしょうか・・・

大入れ蟻掛けのオス・メス接合

じゃぁこのクォリティはどうなのよ?

比較対象は既存のコレ

既存の蟻繋ぎ

いや、コレよりいいでしょ?

という事でOK。
遂に初めての大入れ蟻掛け完了しました。

ポイントC 大入れ

既存土台にメス側を彫ります。
写真が無いですがもう少し綺麗に仕上げてます。

既存土台に大入れメス

オス側を作ります。
Bに「大入れ蟻掛けのオス側」が仕上がっていますのでミスは出来ません。

新規土台に大入れオス

アンカーボルトの穴を空けて

アンカーボルト穴空ける

ガキーーーン!!

大入れオス・メス接合

こちらは楽、OKです。

ポイントD・E ※これダメなヤツ

分かっている方は一瞬で分かると思いますが
この方法は間違っています。

ポイントD

メス加工します。
何が間違ってる?アンカーと近すぎる?
いや、確かにそれもダメだと思いますが、そこじゃぁないです。

端の蟻メス

オスも造って仮付け
加工寸法自体はOK

蟻オス・端のメス接合

ポイントE

ポイントEのオス側です。
既存土台の補強材に連結させるので金物のスペースを削ります。

蟻オス金物分削る

この補強はDIY開始当初に行ったもので、しょぼい金物が付いています。
ここで更に補強しますのでもう取り替えずにこのままでいきます。

端の蟻メス

よし、大体良さそう
ハンマーでカンカンカン・・・

端のメスとオスを接合

ポロッ・・・

端のメスとオスを接合しようとしてメスの端が飛ぶ

はうっ・・・・・?!

吹っ飛んだ・・・
結果からみれば歴然ですが
吹っ飛んでから過ちに気づきました。

どうすればよかったか?

では、このような角はどうすれば良かったかというと吹っ飛ばないように仕口をずらすようです。
やらかしてから見ると「確かにそうだな」と思うのですが流石素人!気が付きませんでした。

端に仕口を掘る場合の仕口の位置

DもEも同じ間違えをしていますが、そもそも親材の補強材なので金物で固定して条件は満たせると思いますのでこのままいきます。

本取付

土台を本取付します。

基礎に基礎パッキン乗せて水平レーザー

レーザーで基礎の水平を確認します。

水平器と基礎パッキン

基礎パッキンを乗せ更に水平チェック。

基礎パッキンを土台に留める

ビスで止めます。
釘のが良かった気がします。

アンカーボルトを固定

この座金、裏に刃が付いていて専用のビットで回せば土台を掘って沈んでくれます。
こんな便利なものがある事を途中で知りました。
「座掘機能付き座金」というようです。
ちなみにこの製品はタナカの「ザボレス」です。
カネシンからも同等製品が出てますが初めに買ったのがタナカだったので統一させておきます。

座掘りのアンカーボルト

普通に座掘りしていた他の座金も取り替えます。

座掘りのアンカーボルトに取り替え

主要部取付完了

新規基礎へ設置した新規土台 全体

上から見るとこんな感じです。

新規基礎へ設置した新規土台 上から全体

金物取り付け

耐震金物 ホールダウンコーナーと貫通ボルト・短冊

ホールダウンコーナー、短冊、貫通ボルト取り付け。

耐震金物 ホールダウンコーナーと貫通ボルト

親材とコーチボルトで繋げます。

ひとまず終了です。

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