腐った柱を土台有りの柱へ変身させる (Chapter1) -朽ちた柱たちの発見-

土台補強

ダイニングの柱下が朽ちてました。
最早荷重がかかっていない当該柱をこのまま見過ごすわけにいきませんので何らかの対策を考えていきたいと思います。

今回は建築素人である当方が包括的なリフォームプランを設計できないことに起因して潜在的な問題の確認ができなかった事で起こりました。
まぁつまり、最初から全部解体してたら気づいてたけど「チビチビ解体してるんで分からなかった」です。

ダイニング床を剥がして現れたとき

床下地を作り直そうと考え床を剥がしました。

ダイニングの床解体ビフォー・アフター

すると、とても雑なコンクリートブロックと土間が出てきました。

柱が朽ちていた対象箇所を図面示す

当該箇所です。

再び現れた建築当初の土間

ボロボロのブロックとモルタル土間。

土間のブロック

何これ?気持ち悪い・・・

そういえばそうだった

建築当時の間取りではここは勝手口でした。
土間があり扉があった場所です。
1988年リフォームのとき勝手口が消滅し壁になり扉は外からモルタルで埋められていました。

建築当初の勝手口土間を示した図面
解体して現れた土間と周辺

基礎の増し打ちをするため不要物を撤去

壁を剥がす

リフォームされていた壁を剥がしました。
勝手口と白い上塗りがされている土壁が現れました。
あぁ~そういえばこんなだったわ。

リフォームされていた壁を剥がして胴縁下地が現れた

勝手口の土間を壊す

この汚い土間跡は開口された基礎周辺にブロックを積んで作られた模様です。
気持ち悪いしリフォームの役にも立たないので不要な部分を撤去することにしました。

土間ブロックをセットハンマーでたたく

積まれたブロックを叩いて壊します。

タガネでハツる

タガネを当ててくっついた部分を剥離させます。

元勝手口扉下のブロック撤去前と撤去後

元入口付近のブロックが撤去できました。

続いて左サイドのブロックも撤去

コンクリートハンマーでコンクリートを割る

コンクリートハンマーで切れ目を入れます。

土間とブロックが外れる

薄い薄いモルタルで留めてありました。
がっかりな工事です。

セットハンマーで土間とブロックを剥がす

セットハンマーで殴ったら取れました。

緊急事態発生!!

左サイドのブロックを撤去すると柱下の状態があらわになりました。

ブロックを撤去したら見えた朽ちている柱

え?

朽ちている柱のアップ

地中に埋まってたらそりゃ腐るか・・・

朽ちている柱の下の土を掘って全く効いていない事確認

マジかよ・・・下には何もない。

向かって左の地中に直接挿してあった柱の下部は地中埋没箇所が経年で腐っています。
ここの柱の仕様は外からも確認済みでしたが地中を確認できたのは今回が初めてです。
ここまでひどかったとは・・・

ちなみに

左の柱と土台は辛うじて釘でくっついていますが木材同士は元々くっついていません。
ヒドい工事です。

最初から離れていた土台と柱

左の柱は「×」

地中に刺さっていないこの柱は家屋の荷重を支えておらず殆ど意味がないと思われます。
荷重は周辺の柱に移っている事でしょう。

気を取り直して進めていく

ショックでしたが嘆いても現実は変わりませんので進めていくことにします。

土間に立ててあるブロックを撤去

反対側のブロックも撤去

下が朽ちている柱

え???

なんてこったい・・・両方ダメっぽいです。

状態を確認するため補強を外してみる

向かって右の柱下は構造物が多くてダメージレベルが把握できませんので当方が取り付けた補強土台・金物と寸切りの大引きモドキとを外します

片方が留まっていない土台

元々この上は風呂場の壁でした。壁を立てるだけに作られたと思われる片方しか繋がっていない土台モドキな木材です。

補強金物のコーチボルトを外す

風呂場を解体したときに補強していた金物を外します。

土台を切る

先は仕口になっているので切断します。

土台を抜く

仕口のホゾを抜きます。

土台を抜いた後の柱の状況

たいぶ痛んでいます。
以前当方が補強で打ったコンクリートが見えました

奥まで見えない朽ちた柱

覗き込んでもまだ狭くてダメージレベルがはっきりしません

まだ状態が分からない

腐っている箇所を(柱が落ちてきたら手がつぶれるかもしれないので怖い)恐る恐る手を入れてみたり、棒で突いたりしてみましたがよくわかりません。
やはり目視で確認できないと判断できないと考え、更に旧基礎(ブロックですけど)を切ることにしました。

ブロック基礎の一部を切断しました

何とか柱下の状態を確認できました。
写真では見えていませんが土に2割程度刺さっているいるように見えます。

ブロック基礎を一部切断

ブロック基礎を切断しました。

ブロック基礎の切断部分を図解で説明

元々あったブロック基礎はイラストの部分です。

朽ちている柱の状況の推測をイラストで示す

目視では2割程残っている??
ようにも見えますが50年も土に刺さり続けているのだろうか・・・

右の柱も「×」

この目視時点では贔屓目に見て2割残っている(土に刺さっている)ように見えました。
当方の判定ではこの柱も「×」としました。

結論:両方ダメ

通り柱ではないものの両方とも基礎も土台もない地中埋没型の柱でほぼ荷重を支えていません。

朽ちた柱下の現状をイラストで説明
左の柱右の柱
柱下仕様地中埋没型地中埋没型
柱下状態完全に腐り8割以上腐り
通り柱であるか否か
土台なしなし
基礎なしなし
2本の朽ちた柱下の状態

荷重は両端の通り柱が支えている状態なようです。

通り柱とそうでない柱の位置と距離

プロに相談

実は右の柱土台モドキ撤去後レーザーで測ると2mm下がってしまっていて焦りました。
慌てて補強を戻して木材を叩きこんだら2mm上がったのでホッとしましたが
ヤバイこれは手に負えないかもしれない・・・、思って大工さんに相談しました。

私

こうしたいんですが

要望段階の改善策写真
要望段階の改善策図面

土台をぴったりに突っ込んで、継ぎ手は金物
鋼製束で下から上げ支えて基礎を打ちたいんですけど
どうでしょう?
あと、ジャッキアップの箇所は何処に幾つするのが妥当でしょうか?

大工さん
大工さん

補強したところが勿体ないです。
もしかしたらこの補強で持っている可能性もありますので
触らず残した方がいいです。

補強した土台


ジャッキアップする前に先ずは
関係する柱と梁を金物で留めて一体化します。

短冊や金物を付ける位置を図解で説明

ジャッキアップポイントは1箇所でいいです。
壁から梁に沿って600~900mm辺りのブロック基礎から梁をジャッキアップしてつっかえを入れ柱に補強抱かせて留めると荷重が移動して柱下を安全に切れます

短冊や金物をとジャッキアップする箇所・補強木材を図解で説明

正しくジャッキアップしないと最悪建物が倒壊するかもしれませんのでくれぐれも気を付けてください。

私

私が施工した補強は取らないといけないと覚悟していたんですが
取らない方がよさそうですね。
倒壊ですか・・・怖い。
先ずはジャッキは買わないと・・・

大工さん
大工さん

ジャッキはダルマジャッキ5tでいいです。
倒壊は大げさだったけも知れませんが建物が下がる事があります。
大変リスクのある作業です。


土台を入れる方法ですが私ならこうします。
この状況では柱に完全にノコが入りませんので水平に絶対切れる自信がありません。柱を保険で半分残します。

大工さんの提案した朽ちた柱下の解決方法を写真と図で説明
大工さんの提案した朽ちた柱下の解決方法をイラストで説明
私

その点なら外壁もカットしますので柱は3面露出させる塩梅です。
ノコは完全に入りますので水平に切るのは私の手先の問題だけになるかと。

大工さん
大工さん

柱に留めてあるバラ板が外れるので外壁が落ちますよ?
あとマルノコが直角に入らないと水平に切るのは難しいです。
横にマルノコを使うのは危険を伴いますのでお勧めできません。
理由はキックバック発生したとき自分側に来るからです。

私

そうですか・・・
よく考えます。

大工さん
大工さん

私は多忙で作業できませんが
気をつけてがんばってください。

私

ありがとうございました。

あとがき

DIYリフォームで経験したことは青天の霹靂というか不測の事態に見舞われる事が度々ありました。
当初の計画通り順調にいく事なんて稀で「どこで折り合いをつけるか」が重要になってくるケースが少なくないです。
当方は折り合いと称した手抜き工事をするとモチベーションが下がる傾向にあります。
逆に良い工事・思い通りの工事ができるとモチベーションが上がるのでリフォームを継続できます。
ややこしい話ですが良い工事を続ける事によってDIYリフォームが続けられます。

次回は実際に柱切断・補強を行います。

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