大規模外壁修繕(Chapter01)再構築のための序章 撤去編 切り裂かれる外壁

外壁の再構築 外壁作成

簡単な作業からはじめて慣れやノウハウ獲得を経てステップアップしていき次第に難しい事にチャレンジするのは新しい事を成功させるための効果的な方法です。
コーキング補修や簡単なモルタル補修を経験し外壁補修にもある程度慣れてきて手さぐりだった「割れた壁に対する補修の方法」が素人なりにも少しづつ身に付いてきました。
しかしこの外壁にはその経験をはるかに超える事態が内包していました。

単なる壁の補修だと思っていました

地震で外壁に大きなヒビ、一部のモルタル壁が落ちてしまっている箇所がありました。
場所は以下です。

外壁補修対象箇所の平面図
外壁補修対象箇所の立体図


当該戸建のひび割れの中でも大きくはありましたが何度か下地作成や樹脂モルタルのパテ埋めは経験済みな当方には欠け落ちている箇所をモルタルまたはパテで埋めして周辺のクラックも補修すれば完了なのではないか?と思っていました。

着手前のひび割れ状態

リフォームに着手する前に撮っていた写真です。

ひび割れた外壁
ひび割れた外壁
ひび割れた外壁

想像を超えていた

外壁から離れてしまっているモルタルがを触って少しづつ確認しながら除去していきました。
するとどうでしょう・・・見た目の何倍もの面積が既に外壁から剥離していたり、ひび割れ(クラック)は深くモルタル壁を断裂させていました。

モルタル壁が落下した外壁

ひび割れを触るとモルタル壁が浮いています。

モルタル壁を一部撤去して防水紙が見えた外壁

モルタル壁を剥がすと防水紙は変色し破れています。

モルタル壁を一部撤去して下地が見えた外壁

防水紙を剥がすと下地にダメージを負っていました。


ちょっと面倒な箇所だとは思っていましたが他の場所で何度か経験を積んだ当方としてはサクッと終わらせるつもりで挑んだのですがとんでもない強敵でした。

終わりの見えない外壁撤去

モルタルがどんどん剥がれていきます。
剥がしても剥がしても綺麗な箇所に辿りつかず
下地の木が腐っている箇所も多数あり終わりが見えません。

腐った外壁下地

どう見てもダメな木ですよね。

腐った外壁下地

柱に打ち付けてあったバラ板の一部がは腐って朽ちています。

柱も変色して汚いです。

他の壁に比べて弱い

剥がしていくとどうやら周辺の外壁は1層目(下塗り)と大幅に違う配合のモルタルの2層目(上塗り)がしてあり、互いに接着が弱く剝離を起こしていて2層目に至っては他と比べてかなり柔らかいモルタル(砂が異常に多い?効果不良?)が施工されている事がわかりました。
2層目のモルタルはおそらく1988年のリフォーム時、施工のしやすさを優先して採光窓を取り付ける際に既存壁の上から塗ったものと思われます。

2重になっているモルタルが剝離している壁

2層になっていて互いに剝離しています。

2重になっているモルタルが剝離している壁

奥の1層目は硬めのモルタルで手前の2層目は柔らかく非常に弱いモルタルでした。

2重になっているモルタルが剝離している壁

開かない採光窓をリフォームの時に取り付けたとき塗ったモルタルだと思われます。
酷いモルタルでした。

それでも少しづつは進んでいきます

「切る」→「確認」→「判断」を繰り返しながらダメな箇所を除去していき補修の完成状態をイメージをしながら進めていきました。
着手当初はとにかく最小限の除去で済まそうと小さく少しづつ開口していきましたが、結果から申し上げると最初から全て除去した方が断然早かったです。
しかしながら、それを理解するには少しづつ状態を確認するしかなかったのも事実です。
プロの方なら容易に理解・判断されるのかもしれませんが何分当方は素人、状態を切っては確認、切っては確認しないとさっぱり分かりませんでした。

上側

開口部の箇所を示すイラスト

赤の点線が上側の開口部です。

剝離したモルタルをディスクグラインダーでカット

モルタルはボロボロ、下地は朽ちてきています。

殆どのモルタルが撤去された外壁面

主に柱に釘で留めてある箇所が腐っていました。

下側

開口部の箇所を示すイラスト

赤の点線が下側の開口部です

開口した外壁

ディスクグラインダーで切っていきます。

重なったモルタル同士が剝離していた壁を開口して下地が露出した外壁

紆余曲折あり結局全部切る事に・・・

ここまでで分かったこと

ここまでで分かった事は一重に「壁の中はとても酷かった」ですが具体的には

  • モルタルが下塗りと上塗りの間が既に剥離
  • 柱周辺のバラ板が多数傷んでいたり腐っている
  • 下地の組み方がいい加減で弱い

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