昭和感漂う狭小風呂をユニットバスに5 ~初めての土間コンクリート打設~ #中編

砕石・ワイヤーメッシュから打設完了までの4カットを1枚にまとめたビフォー・アフター画像 基礎・コンクリート

素人が初めての土間コンクリートを打ちます。

この令和において昭和の住宅事情で造られた風呂場は不便極まりなく、おまけに各所が故障・機能不全に陥っていました。
同じ場所で改善をするにはスペースが狭く有効な改善策が期待できませんでしたので1216サイズのユニットバスを新設する事にしました。

先のページで墨出し、掘削、転圧まで行いましたので今回はコンクリートを型に注いで形成するための「型枠」という物を造りたいと思います。

型枠組み

2面は基礎がありますので型枠は残りの2面となります。
左上の角のみブロック上に木製束→土台→柱になっていて、それ以外の柱は基礎の上にあります。

既存基礎と柱の位置、型枠を作る位置を平面図のイラストで解説

塗装済み合板を加工

今回初めて購入しました、工事現場でよく見かけるオレンジ色のヤツです。
この塗装面が内側でコンクリートに接する面になります。

塗装合板

裏に下地を付けて剛性を出しました。
なお、1角はブロックに木製束が立っています。ブロックがわずかに干渉するので合板を切り欠き避けておきます。

土間用に型枠組み

型枠が倒壊しないように

コンクリートを打つ際、型枠が倒壊すると床下が低く入ることが容易でないので、土台・大引きに吊木を打ち付け支えることにします。

土台に吊木をして型枠を支える

こっちも
ちなみに上にある木はユニットの高さを示しています。

もう片方も土台に吊木をして型枠を支える

こんな感じでしょうか。

型枠取付完了

断念した項目

今回断念した項目があります。
建物強度向上のためワイヤーメッシュを既存基礎に突っ込もうと思いドリルで穴あけを試みましたが硬くて穴が開きづらく、穴数の多さと出た粉の除去が困難で、あと基礎を壊してしまわないかの懸念により2~3箇所試みた後断念しました。
つまり「いあぁ、もうしんどいし余計な事っぽいんで穴あけ止めます!!」です。

理想

既存基礎に穴を空けてワイヤーメッシュを入れたい要望イラスト

現実

現実は出来ずに基礎の横にワイヤーメッシュを置いたイメージ

断念に伴い「かぶりを最低50mm」程を取るためワイヤーメッシュも短く切りなおしました。

「かぶり」って何さ?

「かぶり」とはコンクリート内部の鉄筋から外までの距離をいうようです。

鉄筋のかぶり厚についての解説イラスト

これが正しくないと将来的にコンクリート内部に浸水し、鉄筋が錆びて体積が増加しコンクリートが増えた体積に耐えきれなくなり爆発して割れたり鉄筋が露出してしまう事があるようです。
そういえば鉄筋が露出して中から爆発したようなコンクリートを見かけたことがあります。
なるほど!!

環境・箇所・アイテムにより寸法が違ってくるようですが土に埋まる箇所は60mm以上・埋まらない場所は40mm以上程らしいです。
あまり空けすぎてユニットの束で割れるのもアレだと思い今回は少し土に埋まるかもしれないのでかぶりは50mm取ることにしました。

土間のワイヤーメッシュのかぶりについて50mm空けた状態
土間の周囲50mm程ワイヤーメッシュのかぶり厚のためマージンを取ったというイラスト

コンクリートについて

3辺寸法は1740mm x 810mm x 80mm です。
今までで最も量が多い打設量です。
今回のために小さなコンクリート打設を2度予習を兼ねて行いましたがまだまだ分からないことだらけですのでよく計画して行いたいと思います。

砕石・土間コンクリートとユニットバス収まりの断面図

打設計画

捨てコンクリートは無し

捨てコンクリート(捨てコン)は基本的に

  • 墨出しのために行う
  • 打ったコンクリートは強度計算に入れない

つまり

  • 墨出しが不要なら特段打つ必要はない
  • 地ならしが出来ていれば尚必要性が低い

という認識ですので「捨てコン」は(やった事ないけど)行わず直接土間コンクリートを打設します。

打設量を計算

今回必要なコンクリートの体積はおよそ0.1立方メートル(リューベ)。
ほ・・ほほぉ・・・チンプンカンプンです。
材料の量と出来上がりが全然イメージできません。

土間の広さかと割り出したコンクリートの体積
コンクリートは、もの凄く重い

コンクリートは1m x 1m x 1m = 1立方メートルで2300kg(2.3t)あるらしいです。
メッチャ重い!!大型SUVくらいあります。
およそ宅急便140サイズ x 2 で2tオーバーとかヤバい、ヤバすぎる重さです。

打設重量

1710mm x 810mm x 80mm = 0.112752㎡
0.112752㎡ x 2300kg = 259.3296kg

今回の打設総重量は260kg
これは何となく実感できます。
当方の昔上げたベンチプレスの重量はおよそ90kg程でしたのでその3倍!!
これだけでもかなり重いよ。

コンクリートを練って型枠に投入するわけですが当方一人での作業につき重さがネックになるかもしれませんです。

不測の事態に備えるには

一人での作業につき持てない重量を扱うのは問題が発生したとき対処できない可能性があります。
よってパケット通信のように小分けにして対応したいと思います。

一度に扱える重量を設定

当方60kg以下なら無理せず持ち上げが可能につき1度に練る量を60kg以下に設定したいと思います。

材料等重さ(kg)
セメント10.8
21.6
砕石18
4.75
材料合計55.15
トロ船75L?
※友人からの借り物
4
総重量59.15

必要量:259.3296kg ÷ 55.15kg = 4.7回
4.7回 ≒ 5回
よし、最悪トロ船ごと持ち上がる重さになりました。
これなら一人でも大丈夫そうです。

段取り

計画が決まったので打設のための段取りをします。

30kgの測りです。この日のために買いました。

計量器で材料の重さを測る

セメントを10.8kgづつに小分けしておきます。

1度の打設量に材料を小分けする

床等を養生して必要なものを揃えました。
練ったコンクリートを写真のトロ船位置から力でひっくり返して打設する予定です。

打設する土間付近と段取り説明

いよいよ打設

この日のため寝る前に何度もイメージしました。
未知な作業は不安もありますが、ワクワクもします。

打ち継ぎボンドを塗布

打ち継ぎ部分はボンドを塗ります。

コールドジョイントへの打ち継ぎについてネットではもっと簡易な薬液を使用されておられる方や、身近な人では「水だけでいい」とかいう方もおられました。
しかし当方はこの2液タイプのエポキシ樹脂系ボンドを使用します。

2液タイプ エポキシ樹脂系コンクリートボンド(コニシE200)を測って混ぜます。

2液エポキシ系打ち継ぎボンド

コイツです。

コニシボンドE200

理由は、やり直しが効かない施工を素人が行うので「十二分に有効は手段を取るのがよい」と考えています。
つまり大は小を兼ねる・オーバースペックな分は問題ない・経験が浅い分をコストで賄います。

混ぜたコンクリートボンドを墨に沿って塗ります。
この墨までがコンリートを打つ高さになります。

ハケで既存基礎へ打ち継ぎボンドを塗布していく

塗れました。

既存基礎へ打ち継ぎボンドを塗布完了

あまり歩いて砕石を荒らしたくないので静かに作業しました。

ワイヤーメッシュを下す

コンクリートボンドを周囲に塗布して一旦外していたワイヤーメッシュを再び敷き直しました。

ワイヤーメッシュをセット
打設の準備が整った状態1
打設の準備が整った状態2

コンクリートを練る

いよいよコンリートを練ります。
砕石に水を撒いてからコンクリートを練り始めます。
小分けにした材料をひたすら混ぜていきます。
一回の重量は60kg以下ですので何かあっても一人で持ち上げられます。

セメントと砂を入れて混ぜました。
最初は道具でそのあと手で混ぜて行きました。

セメントと砂を混ぜる

山状に盛って中央に必要水量の3分の1くらいを注ぎました。

混ぜたセメントと砂を山形に盛って穴を空け中心に水を注ぐ

パサパサ気味の状態で玉になっているものを手と道具で潰していきました。

ダマを潰しながら混ぜる

水を8割くらい入れて液状(モルタル)になったら砕石を投入ハンドミキサーで混ぜます。

水と砕石投入

混ざってきました。
残りの水を柔らかさに注意して注ぎます。
ハンドミキサーを維持しているのがつらいくらい抵抗があります。

コンクリートを練る

混ざりました。型枠内にひっくり返して注いでいきます。

コンクリート手練り完了

打設完了

打設中の写真がないのは必死で写真を撮るのを忘れてしまいました。
やった事は

  • コンクリートを木でつついて気泡を出す
    型枠を木槌で叩いて気泡を出す
    木鏝で均して水平にする
    金鏝で表面を均す

です。

上に見える横に渡した木材の下がユニット収まりです。
ここから350mm下が収まりなので350mmで墨を付けた棒を当てて順にチェックして木鏝で均していきました。

打設後の土間の床収まり高さを示す

足場がないまま810mm先を均すのは届きますがモノやゴミを落としたり自分が落下したりしないように気を付けて作業しました。

コンクリート打設後の土間

表面をもっと平らで綺麗にできればよかったですがこれが精一杯でした。

コンクリート打設後の土間全体

コンクリートは余らずに掃除は楽でした。

打設後の感想

  • 平らにするのはとても難しい
  • 均しの深追いすると表面が余計に悪くなる
  • レベル(高さ)を型枠にはマジックで、既存基礎には墨壺で墨を付けましたが打設時に消えて見えなくなってしまうので今後は違う方法を取らないといけない

あとがき

ここでは作業した当初ではなく「こうしておけばよかった」など後で気づいた点や疑問に思った点や反省点などを記載します。

基礎への穴あけ

一向に穴があかないので止めた既存基礎への穴あけですが当時は道具の選択を誤まっておりコンクリートドリルを使用していました。
このような場合はハンマードリルが有効でした。
しかし穴数が多いので大変だったと思います。
また穴あけに伴い粉は尋常じゃないくらい出ますのでこちらの処理はやはり大変ですので穴をあけるなら本来は砕石投入前に行うのが妥当かと思います。

なおこの作業を行った時点では基礎の切断の有無や新規基礎の作成などは予定になくもし、予定に入っていればより効率的かつ良質な工事も可能だったことでしょうが結果論です。

やはり最初の段階でのリフォーム設計が非常に大切だと痛感します。

打ち継ぎボンド

打ち継ぎ箇所に使用したエポキシ樹脂系のコンクリートボンドですがこれはコスト高にはなるものの工事としては悪くない選択でした。
但しハケで塗布出来ない箇所には不利で、「水性のハイフレックス」という製品で使用に足る模様です。
「エポキシ樹脂系ボンド」と「水性のハイフレックス」の併用が可能なのかは現時点では不明ですが機会があればやってみたいと思います。

練るコンクリートの量

今回はかなり慎重に行いましたが練る量だけ余らないように配慮すれば75L程入るトロ船を活用して本来は2回程度で済んだ行為でした。
重くなっても運ぶ場合小分けにすればよく他の阻害要因はありませんでした。

消えてしまった土間天の墨

打設の高さ(レベル)を示した墨が消えてしまう件ですが大工さん曰く「墨と釘」を打っておくよ良いそうです。

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