ダイニングキッチン 床を造る1 根太の高さは90mm 〜木表と木裏 & 反りとムクりどうするの?〜

根太床工法で90mm根太を付けた床下地 ビフォー・アフター ダイニングキッチン

ダイニングキッチンの床貼り替えはパンドラの箱で大変な事になりました。
時間がかかってしまったのは残念な点ですが知識と技術、体験を手に入れました。


地盤沈下で一部土台が下がっており、これに沿う形で基礎と土台補強を余儀なくされました。
沈下の高低差は最大で25mm程ですが元より少し高くした事と、既存土台の位置がマチマチなので、余裕をもって補強ができる位置を勘案して合計90mmの高低差をダイニングキッチンに付けました。

90mm高の根太ってアリなの?

ネットでは根太高さ60mmまでならよく紹介されていましたが高さ90mmと明示されている施工事例は無く、もしかすると根太としてNGなのでは?とやや懸念していましたが解消されました。

ちなみ90mm高でいうと、剛床工法というものがあり、この場合90mm角以上の部材を910mm間隔以内の寸法で組んで24mm厚以上の合板を敷くそうです。
910mm以内(303mm間隔ですが)で90mm高さの材料を使う点は似ていますのでアリだと思っているけどどうなんだろう何かリスクがあるサイズなのだろうか・・・
と思っていた時

プロに90mm高の根太への施工方法を聞いた

丁度プロに聞く機会があり本件を尋ねてみました。

私

幅45mm x 高さ90mm根太に
ビス留めする場合上から150mmのビスで
可能ですか?

大工さん
大工さん

あーそんな長いビスを上から打っても
曲がってしまうだけでダメですね。

私

では、どうやって留めるのがいいですか?

大工さん
大工さん

90mm x 45mm の根太は

  • 長さ90mm以上のビスで
  • 下から40mmの位置に
  • 60度で両サイドから打つ

で、いけますよ

90mm高の根太は存在した

ちょっと大袈裟ですが工法上問題のあるサイズというわけでもなく
「そもそもこのサイズは人間が生活する重みにおいてオーバースペックなので余り組むことがない」という事なのではないでしょうか。
いずれにせよ45mm幅 x 90mm高の材料は根太として使用できるという事が分かりました。
ネットで専門と称されている方に聞くのも良い手ですが、この方は当方の現場に来ていただいた事が有る方で実際の現場を知っているプロに聞けたのは大きな収穫です。

なぜ90mmの根太になったかは以下をご覧ください。

基礎補強 計画・掘削 ダイニングキッチン編#8 基礎割れ考察も
ダイニングキッチンの床リフォームのはずが剥がすと基礎割れを起こしていました。このままの状態で上から床を貼っても根本的な解決にならないとの判断で基礎の補強をする事にしました。現状を把握して当方が出来る最大限の施工方法で問題を解決してみたいと思います。

【図解】90mm高の根太ビス留め

プロに聞いた要件を図解にするとこうなります。

90mmの根太の取り付け方

覚えたぞ!!

根太の木表・木裏どっち問題

ところで、根太を留める際の向きは一体どれが正解なのでしょう?

根太の木表と木裏どっちが正解?

ネット情報では根太は木表を下にするのがよいという記載が結構あります。
合っているんでしょう。
でもこれは、根太という括りで一概に言える事では無いと思うのですね。
おそらく注釈があり、根太は末永く水平を保てる事が大前提で「ボンドとビスで制御できるサイズなら木表を下にするのがヨロシ」だと思うんですね~
つまり、「45mm x 45mmの根太ならビスで抑えることが出来るから木表が下でOK、それ以上のサイズでは知らん」ってな感じではないでしょうか。

しっかり留めればどっちでもイイって事では?

45mm角の根太は基本、木表が下でいいが上でもビスでしっかり留めれば問題にならない。
寧ろ問題なのは水平が狂う事であり抑えられるならどちらでも問題ない

45mm角の根太における木裏と木表の差をイラストで表現

ということではないでしょうか?
個人的意見です
ちなみに大工さんにも根太の向きについては言及された事ありませんでした。

では90mm角以上の大引では

プロに「大引の向きははこうだ!!」
と教え貰いました。
ネットでも同様に記載された情報があります。
信ぴょう性は高いです。

大引きの取付反り・むくり方向


プロからは
中程が垂れるのは何とかなるけど盛り上がるのはどうしようもない
という事を聞きました。

上述したように大工さんに床工事を伝授してもらったとき、大引きの向きについては言及されましたが45mm角の根太の向きについては言及されませんでした。

では45mm x 90mm の根太ではどうなの?

90mmの大引きで反りが上なら同じ置き方でよいのでは?

90mm根太の取付反り・むくり方向

土台・大引きその他サイズが90mmを越える材料では反り・むくりをビスで押えるのが難しいという事ではないでしょうか。

結論:45mm x 90mm の材料は木表が上

どう考えても90mm高の材料が合板に向かってむくれたら対処のしようがありません。人間の体重でもどうにかなるとは思えません。
45mm x 90mmの根太は木表が上「上は反らせて下にむくらせる」でいきます。

45x90mm根太の木表と木裏方向

施工開始

施工方法も確認済みですので後は材料を選定、加工、取付です。
材料は根太ですので、当然柔らかいホワイトウッドなどは論外、ベイマツ~ヒノキ材以上の硬さが必要だと考えました。
という訳で45mm x 90mm x 3mヒノキ材採用です。

段差は切り欠く

既存土台は沈下して水平が狂っていますので基準としては全く使えないです。
新しくレベルを出した補強土台を基準にして根太を加工していきます。

切り欠いた根太
それぞれの寸法で切り欠きます。

既存土台の起伏を切り欠きで吸収します。
横から当てている木材は「根太は一旦ここまで」というラインです。

切り欠いて既存土台へ乗せた

こちら側は高さ45mmのヒノキ材を土台の上に乗せています。
ここには壁の通りが出ています。

90mm高根太切り欠いて乗せる

たまにちょっと切りすぎたりしましたが寸法がでているので加工は比較的スムーズにいきました。

90mm根太加工完了

根太を付ける

いよいよ90mm高の根太をとめつけます。

根太ボンドを塗布して

根太ボンド塗布

クランプで締めつつ

90mm根太をクランプで締める

下から40mmの位置に角度60度で下穴を空けます。

90mm根太に60度の角度で下穴

予めビス頭がめり込む先をインパクトドライバーのビットで掘っておきます。

90mm根太にビットでビス頭を掘る

ビス頭が収まる穴が出来ました。

90mm根太にビットでビス頭ができる

角度60度空けた下穴に90mmのコーススレッドを打ちます。

90mm根太に60度の角度でビス打ち

両方から
一度に片方を打ちきってしまうと根太の位置がずれたりするかも知れません。いや、きっとズレる。
ので両方から満遍なくビスを打っていきます。

90mm根太に両側から60度の角度でビス打ち

ビスは片面2本、両面で合計4本打っています。

ビス打ち後

完了

90mm根太概ね取付完了。
やり方は分かっているので、角度だけ気を付ければ実際の作業はさほど大変ではありませんでした。

90mm根太取付完了

合っていると思うけど、根太の方向ちょっと心配・・・

タイトルとURLをコピーしました