昔のリフォームで塞がれて壁になっていた勝手口。
DIYリフォームのため剥がすと隣接の柱下部が経年によって腐り朽ちていました。
このままでは周辺の柱たちに高い負担かかりっぱなしなので不要なものは無くし、眠っている機能を呼び起こし、必要なものを新しく入れたいと思います。
前章で大工さんに提案された解決方法も念頭に置き実作業に入りたいと思います。
まずは一体化
柱にかかる荷重を移しても崩れないように周辺の構造物に金物を取り付け一体化を図ります。
金物紹介
金物買ってきました。
今回一体化するために使用した金物です。
短冊タイプ
タナカ オメガプレートSD 10kN

「短冊」とか呼称するようです。薄めの金属でできており太いビスで固定するようになっています。
取り付けですが端からは150mm~200mmに取り付け、中間は400mm~600mmピッチで取り付けるのが良いようです。
思うにこの金物は「吊る」「引っ張る」が目的だと思われますのでそれを意識して取り付けていきたいと思います。
L型タイプ
タナカ はしらどめイチロー 5.1kN

この金物を2本の柱上部に取り付けたいと思います。
本当は耐震金物の大きいのを付けたかったのですが
- ビスのストロークに対して厚みが足りない
- 既存の金物が邪魔する
ので、フィッティングした結果、本金物が他と干渉しないので強度は弱めですが選択しました。
金物取り付け
まずは梁に短冊(オメガプレート)を取りつけます。
オメガプレート
結構難しいです。
メーカーのホームページに施工要領は載っていませんでしたが
取り付け位置は中央に薄く線が入ってますのでここを中心にする(はず)です。

プレートなので上手く付けないと曲がる
引っ張る金物なはずなので板全体で均一にテンションが上手にかかるように付けようとがんばりましたが
平らな場所でない場合は波打ちますし、ビスの角度にも大きく左右されます。
ぱっと見簡単そうなんですけど結構難しいです。
奥深い
オメガプレートを数回取り付けて得たコツっぽいものをメモを兼ねて記載しておきます。
あくまで体験談と当方の主観的判断に基づく内容につき真偽の程は定かではありませんので詳しくはメーカーにお問い合わせください。
- ビスは材料に対して直角かつ穴の中心に打ちこむ
- 上から交互に歪まないようにビスを打つ
- 場所によってはプレートが暴れるのでクランプ等を使って暴れない工夫をする
- 外から分かる目の違いなどがあればビスの角度をわざと変えて最終的に真っすぐになるように調整する
- 一気に打ち込むより様子を見ながら徐々に打つほうが失敗が少なかった
これは出来がいい方
これは波打たずそこそこ真っすぐに付けることができました。

全部がこんな感じで行けばよかったんですがそうはいきませんでした。
中にはビスの方向が傾いたり、プレートが波打ったりしたりしましたが全体的には上手くいった方だと思います。
はしらどめイチロー
L型の金物を柱と梁を一体化するのに使用します。
適度に難しく、適度に結果が出る金物取り付けは面白かったです。
ジャッキアップ
いよいよジャッキアップの用意です。
最悪のシナリオにならないように順番どおり確実に作業していきます。
設置環境を水平にする
真っすぐに突き上げるには水平な土台から。
ジャッキを置く場所が傾いているのは大変危険なはず、ディスクグラインダーで平らに均します。
つっぱりを垂直に立てる
はじめてのジャッキアップです。
このために買ったジャッキの登場です。
まずはレーザーで垂直を出して上下に墨を付けておきます。
ジャッキアップ完了
ダルマジャッキのハンドルはとても軽く、いとも簡単に上がりました。
拍子抜けです。
柱補強
ダルマジャッキが荷重を受け持ってくれているので今から柱に材料を抱かせて補強を行い荷重をこちらに移したいと思います。
まず金物を外します。

柱補強用木材加工
ヒノキの90mm x 45mm x 3000mmのなるべく真っすぐな木材を買ってきました。
こういう材料のことを「半割り」とか「半材」というようです。
今回の材料は90mm x 90mm の「半割り」ですね。
5mm程ジャッキアップされた事で補強場所が5mm上がったわけではないようです。
土台上面にも補強を
土台の上面に補強を入れてから柱の補強を立てようか、さらに梁の下にも抱かせ補強を入れてから柱を立ててもいいんだろうか・・・と、ずいぶん悩んだのですが大切なのは下部が朽ちた柱の替わりに抱かせた木材に直接荷重を持たせる事だと考え柱補強と絡ませて上下に補強を抱かせるのは止めて補強単体で行う事にしました。
シナーコーナーという防御力の高い金物
念願のシナーコーナーを付けることができます。
11.6kNという引き抜き耐久力を誇るコイツはビスが100mmありまして細い材料には使えませんでした。
割れた・・・
90mm + 45mm = 135mmなんで問題ないと思ったんですがダメでしたが100mmのビスの最後打ちこみで割れました。
インパクト強度はかなり高めでやってしまったけどそんな衝撃で割れるならそもそも弱かったとみるのが妥当かと思います。
- ボンドをべったり付けた事
- 柱補強に影響はない
- 必要なら後日上から更に抱かせ補強する
- 元々見た目を良くしようという動機から行った行為
だったのでこのままいきます。
レベルチェック
予め作って置いた受けに木材を乗せてレーザーでレベルを見ます。
施工前と施工後で柱の高さが同じでしょうか。
これで柱下を切る準備が整いました。
コメント