ダイニングキッチン5 腐った柱を切る!! #準備編

梁と柱の補強とジャッキアップ ダイニングキッチン

昔のリフォームで塞がれて壁になっていた勝手口。
DIYリフォームのため剥がすと隣接の柱下部が経年によって腐り朽ちていました。
このままでは周辺の柱たちに高い負担かかりっぱなしなので不要なものは無くし眠っている機能を呼び起こし必要なものを新しく入れたいと思います。
前章で大工さんに提案された解決方法も念頭に置き実作業に入りたいと思います。

まずは一体化

柱にかかる荷重を移しても崩れないように周辺の構造物に金物を取り付け一体化を図ります。

左側面

左側面 金物補強イメージ図面

左側面を表した図です。
補強された梁に短冊と柱止め金物を付けていく予定です。

左側面 金物補強前の写真

まだ金物がない状態の向かって左側面です。

正面

正面 金物補強イメージ図面

正面です。左の柱上部に柱止め金物を付けます。
右の柱上部は左だけ柱止めを付けて右は補強材が入るので未だ何も付けないで空けておきます。

正面 金物補強前の写真

補強する前の正面の写真です。

右側面

右側面 金物補強イメージ図面

右側面を表した図です。
補強された梁に短冊を付け柱の部分は45mm x 90mmのヒノキで補強するので未だ空けておきます。

右側面 金物補強前の写真

まだ金物がない状態の向かって右側面です。

金物紹介

金物買ってきました。
今回一体化するために使用した金物です。

短冊タイプ

タナカ オメガプレートSD 10kN

タナカ オメガプレートSD
シールは取り忘れです。コ○ナンさんのまわし者ではありません。

「短冊」とか呼称するようです。薄めの金属でできており太いビスで固定するようになっています。
取り付けですが端からは150mm~200mmに取り付け、中間は400mm~600mmピッチで取り付けるのが良いようです。

思うにこの金物は「吊る」「引っ張る」が目的だと思われますのでそれを意識して取り付けていきたいと思います。

L型タイプ

タナカ はしらどめイチロー 5.1kN

タナカ はしらどめイチロー

この金物を2本の柱上部に取り付けたいと思います。
本当は耐震金物の大きいのを付けたかったのですが

  • ビスのストロークに対して厚みが足りない
  • 既存の金物が邪魔する

ので、フィッティングした結果、本金物が他と干渉しないので強度は弱めですが選択しました。

金物取り付け

まずは梁に短冊(オメガプレート)を取りつけます。

オメガプレート

結構難しいです。
メーカーのホームページに施工要領は載っていませんでしたが
取り付け位置は中央に薄く線が入ってますのでここを中心にする(はず)です。

タナカ オメガプレートSDを取り付けた梁

プレートなので上手く付けないと曲がる

引っ張る金物なはずなので板全体で均一にテンションが上手にかかるように付けようとがんばりましたが
平らな場所でない場合は波打ちますし、ビスの角度にも大きく左右されます。
ぱっと見簡単そうなんですけど結構難しいです。

オメガプレートSDのビス打ちの順番

誰にも教わってないですが、上から交互に順番にビスを打っていきました。
ムラなく真っすぐに付けたいならこの順番ですよね?

段差がある場所へオメガプレートSD取り付けでクランプを使用

上下に段差がある場合ビスを打つとプレートが暴れます。
※後で分かりましたが右上の突起をハンマーで打ち付けて位置決めするようです

オメガプレートSD取り付け完了

なんとか取り付けに成功しました。
写真でまだシワっぽい歪みが確認できると思いますがこれ以上隙間が無くならないんです。

奥深い

オメガプレートを数回取り付けて得たコツっぽいものをメモを兼ねて記載しておきます。
あくまで体験談と当方の主観的判断に基づく内容につき真偽の程は定かではありませんので詳しくはメーカーにお問い合わせください

  • ビスは材料に対して直角かつ穴の中心に打ちこむ
  • 上から交互に歪まないようにビスを打つ
  • 場所によってはプレートが暴れるのでクランプ等を使って暴れない工夫をする
  • 外から分かる目の違いなどがあればビスの角度をわざと変えて最終的に真っすぐになるように調整する
  • 一気に打ち込むより様子を見ながら徐々に打つほうが失敗が少なかった
これは出来がいい方

これは波打たずそこそこ真っすぐに付けることができました。

綺麗に取り付け施工できたオメガプレートSD

全部がこんな感じで行けばよかったんですがそうはいきませんでした。
中にはビスの方向が傾いたり、プレートが波打ったりしたりしましたが全体的には上手くいった方だと思います。

補強梁にオメガプレートSD取り付け完了

オメガプレートSDを梁全体に取り付け完了。
ちなみに手前の合板とボルトが見える箇所は大工さんに施工してもらった工事跡です。

補強梁にオメガプレートSD取り付け完了

逆面もオメガプレートSD取り付け完了

はしらどめイチロー

L型の金物を柱と梁を一体化するのに使用します。

梁と柱に「はしらどめイチロー」をビス打ち

オメガプレートより比較的簡単に付けられました。

工具が入りにくい場所に「はしらどめイチロー」取り付け完了

場所によっては工具が入りにくいので手間取りました。
こういう工具や手が入りにくい環境への配慮が足りず実作業時に気がつくというケースが愚かにもあります。

補強対象の柱にも「はしらどめイチロー」取り付け

一体化完了しました。

適度に難しく、適度に結果が出る金物取り付けは面白かったです。

ジャッキアップ

いよいよジャッキアップの用意です。
最悪のシナリオにならないように順番どおり確実に作業していきます。

設置環境を水平にする

真っすぐに突き上げるには水平な土台から。
ジャッキを置く場所が傾いているのは大変危険なはず、ディスクグラインダーで平らに均します。

ダルメジャッキ設置個所を平らにするためコンクリートを切る

デコボコをディスクグラインダーでカットします。

ダルメジャッキ設置個所を平らに

何度か繰り返して平らになってきました。

ダルメジャッキ設置個所を水平器で水平確認

OKかな。

つっぱりを垂直に立てる

はじめてのジャッキアップです。
このために買ったジャッキの登場です。
まずはレーザーで垂直を出して上下に墨を付けておきます。

ダルメジャッキを置く

ダルマジャッキ(6t)登場です
初めて使います。

梁を支えるためダルメジャッキの上に角材を乗せて位置を合わせる

まずは軽くジャッキアップして垂直のレーザーに合わせます。

ダルマジャッキの根元の位置合わせ

下も垂直レーザーに合わせます。

ジャッキアップ完了

ダルマジャッキのハンドルはとても軽く、いとも簡単に上がりました。
拍子抜けです。

ダルマジャッキでジャッキアップ

5mm程上がったと思います。
構造体が上がる瞬間「キュッ」と音がしました。

ダルマジャッキと角材で支えられ荷重が移動できた状態

45mmx45mmのベイマツで想定どおりの場所に突っ張ることができました。
なお、この棒は必ず真っすぐな材料を使わなければなりません。(大工さん談)

ジャッキアップ前に測った周辺の寸法やチェック跡

ジャッキアップが及ぼす周辺への影響を確認するためスペーサーを入れたりメモしたりしています。

柱補強

ダルマジャッキが荷重を受け持ってくれているので今から柱に材料を抱かせて補強を行い荷重をこちらに移したいと思います。

まず金物を外します。

以前に補強していた金折れ金物を外す

柱補強用木材加工

ヒノキの90mm x 45mm x 3000mmのなるべく真っすぐな木材を買ってきました。
こういう材料のことを「半割り」とか「半材」というようです。
今回の材料は90mm x 90mm の「半割り」ですね。

ヒノキ加工

少し加工します。

ヒノキ加工箇所をヤスリで磨く

途中までテーブル丸ノコで切断して残りは手ノコで切りました。バリを鉄やすりで取っています。

ヒノキ加工箇所完了

少しノコ跡が残っていますがヨシとします。

柱に加工したヒノキで補強

縦の寸法はジャッキアップした状態でハンマーで叩きながら比較的スムーズにゆっくり入ったのでおそらくゼロで入ったと思います。
加工した横はほぼぴったりでした。写真でも分かる通り少し下部が空いたけどこれを回避するのは当方には無理でした。

45mm x 90mm 補強木材フィッティングOK

ビスは300mmピッチでいいとは思いましたが念のため150mmピッチで横に2本づつ打ちます。
ちょっと多いかな・・・

45mm x 90mm 補強木材ビス打ち完了

100mmのコーススレッドを主に使用しました。
下穴なしで打つとビスが曲がったり折れてしまいましたので下穴を開けてから打ちこみました。

5mm程ジャッキアップされた事で補強場所が5mm上がったわけではないようです。

土台上面にも補強を

土台の上面に補強を入れてから柱の補強を立てようか、さらに梁の下にも抱かせ補強を入れてから柱を立ててもいいんだろうか・・・と、ずいぶん悩んだのですが大切なのは下部が朽ちた柱の替わりに抱かせた木材に直接荷重を持たせる事だと考え柱補強と絡ませて上下に補強を抱かせるのは止めて補強単体で行う事にしました。

土台補強箇所

以前補強した箇所です。
新しい木材と金物で補強しました。

土台補強箇所へ補強するため金物を避ける加工

取り付けていた金物をかわすため高さプラスアルファ分彫りました。

補強箇所へ根太ボンドをたっぷり付ける

既存の土台が痩せてるので溝ができますので付けすぎなくらいKU928(ボンド床職人)をたっぷり塗りたくりました。

シナーコーナーという防御力の高い金物

念願のシナーコーナーを付けることができます。
11.6kNという引き抜き耐久力を誇るコイツはビスが100mmありまして細い材料には使えませんでした。

割れた・・・

90mm + 45mm = 135mmなんで問題ないと思ったんですがダメでしたが100mmのビスの最後打ちこみで割れました。
インパクト強度はかなり高めでやってしまったけどそんな衝撃で割れるならそもそも弱かったとみるのが妥当かと思います。

  • ボンドをべったり付けた事
  • 柱補強に影響はない
  • 必要なら後日上から更に抱かせ補強する
  • 元々見た目を良くしようという動機から行った行為

だったのでこのままいきます。

シナーコーナーを取り付けたら割れた木材

45mm厚の木材は構造用ビスで貫通させると割れるのですか・・・
欲張りすぎました。

補強構造断面イラスト

今回の補強構造です。

レベルチェック

予め作って置いた受けに木材を乗せてレーザーでレベルを見ます。
施工前と施工後で柱の高さが同じでしょうか。

補強前と補強後でレベル(高さ)が川っってしまっていないかレーザーでチェック

11.5mm写真ではすこし定規がずれていますね。

補強前と補強後でレベル(高さ)が川っってしまっていないかレーザーでチェック

こちらも11.5mm同一につき変わりなし。

補強前と補強後でレベル(高さ)が川っってしまっていないか水平器でチェック

水平器でも大丈夫なようです。

これで柱下を切る準備が整いました

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