築50年の我が家の昭和感がムンムンする風呂は狭すぎてユニットにも出来ないので引越しすることになりました。
この引越しで間取り変更が発生、基礎を打ち土台を設置しました。
既に何本か補強が入ってますが今までのはプロがやった仕事です。
今回当方が初めて梁を入れようとしたら大事になってしまいました。
場所はここになります。
過去に経験したのは一度だけ
我が家の柱を抜く際大工さん監修の元お手伝いしたのみです。
それがコレ。
↑このお手本と大工さんの解説で
「覚えたぞ!!」です。
梁を入れる場所
今回チャレンジするのはここです。
その後ここに2本柱を立てる予定です。
上は1988年のリフォームで柱が撤去されたときに添えられた受け梁で、ここにホゾを掘り今回大工さんに入れてもらった「受け梁の受け梁」に載せ掛ける形で梁を通したいと思います。
この「受け梁の受け梁」が高さの基準になります。
これって要るの?
構造的にそんなに要らないと思います。
じゃぁ、何で入れるの?
このラインは間取り変更に伴い壁になります。
タダの壁 OR しっかりとした壁 どっちがいい?
壁になるということで「単なる間仕切りを立てる」のか「構造に供する壁を立てる」のかの選択になります。
なら構造に供する壁にしたい
ここはリビングへの入り口ですので扉も付きますし頻繁に行き来する場所でもあります。
強いに越した事はありません。
無いのと有るのでは(素人が造っても)有る方がマシという考えに至りこのラインを基礎から
造ったわけです。
これで家全体のバランスはあるでしょうが、構造的に強くなる事はあっても弱くなる事はないという考えです。
梁はT字にかける
大工さんの仕事跡を見ていると梁を補強する場合多くは2点留めではなく3点以上で留められていました。
構造的に考えると3点以上で留めると2点に比べて飛躍的に安定するのは明白です。
これは補強の基本ではないか?(本人に確かめてはいないけど)と思ったのです。
梁の両端のみの2点では対角の転び弱く、3点なら梁の転びに対抗する効果が期待できると考えました。
また、このT字梁の下は間取りの区切りで全て壁が立ちますので、きちんと梁を通せば壁の下地受けとして役に立つと考え梁をかけることを決めました。
テストの意味もあり
今回大工さん抜きで梁を入れるのは初めてになります。
もし失敗してもお金と時間は失いますが家の強度が低下する事はありませんので
「梁を入れる場合どうやればいいのか?」というのをさほど重要でないこの場所で経験しておこうという魂胆です。
どう入れる?
じゃぁ、どう入れるのかというと
補強しようとして既存の構造体の強度を落としては本末転倒なので既存の構造体はなるべく欠損させずに入れたいです。
そこで考えたのは沈下によって家が傾き、梁が反っている部分を利用して既存の部材を傷つけず斜めに入れる事ができるのではないか?というモノです。
測ると一応収まる事確認しました。
片方ホゾなし?
既に周辺は補強されている事もあり、反っていない方の梁にはホゾを掘りますが反っている方は3分の1程に柱が乗るので既存の構造体を欠損させる事を思えばイモ(ホゾなし)でボルトで繋ぐというのでいいのではないかと判断しました。
墨出し
新規で打ったダイニング側の基礎から、リビング側の基礎までが壁になるのでこの通りに合わせて梁を入れたいと思います。
レーザーで通りを出して梁を入れる位置を特定します。
墨付け
ホゾ穴を掘る
昭和製の梁にホゾを掘って令和製梁で受けます。
掘れました。
深さは25mmです。
柱上を動かす
この柱は間取り変更に伴い大工さんに立ててもらったもので当時の基礎はブロック製で貧弱なものでした。
基礎を鉄筋入りに置換したときジャッキアップし過ぎて上がズレてしまいましたので修正します。
当方のせいでプロの仕事をやり直す羽目になり勿体ないんですが仕方ありません。
折角打ってもらったビスを一旦外します。
垂直に修正して梁が乗る高さまでカット。
いざトライ!
梁は全然入らなかった
入りませんでした。
梁は滑らせる面に起伏があり隣の梁との間が狭い事もあり全然入りませんでした。
ダメじゃん・・・
ここの既存梁は上下2本重ねで上がやや太いです。
三角関数で最長を確認し、出っ張り部分を切り欠き、反りを利用して滑らせて入れられると踏んでいたのですが机上の空論でした。
また、確認方法も悪かったです。
点で確認しただけで面で確認していませんでした。
全然無理・・・
大事になる
えらい事になりました。
釘を抜いて一時的に2階の床を剥がす事にしました。
はぁ~・・・こんな筈ではなかった・・・
2階の荒床を剥がしました。
あぁぁぁ・・・剥がしたくなかったなぁ・・・
60mm角の根太があります。
これも取りたくないけど一時的に取ります。
上の梁を欠き込みすれば入るのでは?
梁を上から落としたら入りそうですね・・・でも、この梁は下からは受けられてはいるけど1988年のリフォームで受けた梁とも一体化が弱いと思うのです。おまけに大して太くないので横からの力にあまり対抗できそうにないのではないかと思うのです。
既存根太の欠き込みを潰すことになるし床の復旧が面倒になります。
また、片方はイモで寸法切ってしまっているのでこちらは今更の欠き込みしても無意味どころか留められなくなってしまいます。
そういう事で真上から落とすのではなく横から入れる方向でいきます。
しまったなぁ・・・
最初は既存の梁を削らず何とか入れられないか試行錯誤してみましたが上に乗ってる梁が大きい事と面がデコボコなのがネックになりもう少しの所で入りません。
仕方なく削る
側面を電動カンナで削りました。
この時点で削った分寸法が合わなくなっていますが仕方ありません。
あぁ~あ・・・
ちなみに抜いた柱をテコにして入れたのですがこれが残念な事になります。
こんなのやってはいけません。
何とか入りました。
ホゾ側もOK
上から見るとこう
抜いた柱をテコにした結果このザマです。
削った上は空いていてハンマーの跡もヒドいですが線が付いてしまっています。
何なのこの出来は・・・
電動カンナの木くずが・・・汚い
でも何とか入りました。
確認
悪戦苦闘しましたが一応入りましたので出来栄えを確認します。
両側に受けを付けていますが落下すると危険なので念のためバンドで縛って上にある重量材に括りつけています。
接合部
削った分空いてしまいました。
残念です・・・
柱にはちゃんと乗っています。
こっちは予定どおり、おそらくホゾの奥までギリギリに入っている思うんですが・・・多分・・・
水平
レーザーで水平を確認すると一応目論見通りです。
まぁ傾いていてもいいんですけど2階の下地組みのとき助けになればと・・・
まだ留め付けておらずガタつきがあるので目安でしかありませんが一応そこそこ水平です。
片方の接合が不安定なこの梁ですがここで金物付けました。
まとめ
家の歪みを利用して低リスクで梁を入れようする行為は失敗に終わり対価を支払う羽目になってしまいました。
今回の経験から分かった事は
- 本工事は最初から2階の床は剥がす事が前提である水準だった
- この寸法の部材は一切しならないので入れる道は直線で考えないといけない
- 接合部の両方ホゾ(仕口)は両方掘るのが無難
ちなみに今回ハンマーで自分の指を叩いてしまいメッチャ腫れてます。
痛い痛い・・・