築50年の一戸建てを支え続けた1本の木製束。
かなり負担をしていたと思われる場所で徐々に朽ちてきていました。
そこで木製束をやめてコンクリート基礎に置換しようかと考えベースコンクリートを打ち、4本の鋼製束で支えて木製束を抜きました。
今回は基礎を打設するための型枠を作りつつ周囲の基礎と鉄筋をケミカルアンカーで繋いでいきます。
今回の型枠はちょっとややこしい
今回の型枠は組むのもややこしいですがコンクリート打設もややこしいです。
理由は
- 土台となる大引きが既にあって後付けになる
- 場所が狭い
- 一部コンクリートを真上から注げない箇所がある
基本的に「狭い」「届かない」です。
1:基礎の後付け
既に土台になる木材が存在していて後付けで基礎を打つので土台と基礎の間に隙間が生じやすい。
コンクリートが土台と密着して打設出来る訳でもなくデコボコになると思います。
この件について大工さんに聞いた事があります。
基礎を後で打ってもコンクリートが打設面全体に密着とか
しない気がするんですが?
そうですね。
でもそれしか方法がないんですよ。
2:狭い
いやもう狭くて作業がやりにくいです。
床下地を先に造るんじゃなかった・・・
3:コンクリートが流しにくい場所がある
下イラストの右上はコンクリートが回りにくい構造になっています。
というのもユニットバスが入るので既に土間コンクリートを打っている場所の面(ツラ)までしか基礎を打てませんし、逆側は隣の部屋で既に床が貼ってありコンクリートを流す隙間はありません。
他の場所は幅を大きく取ってコンクリートを流す隙間を造る事ができます。
基礎仕様
今回の作成する基礎の仕様です。
既存基礎へ打ち継ぎするので既存基礎の寸法の影響を受けますが安全だと思われる範囲で極力深く寸法を取りました。
型枠イメージ
型枠完成時立体イメージ
型枠完成時平面イメージ
フーチング部分の型枠
鋼製束を立てています。
基礎を作るために鋼製束ごとコンクリートで埋めてしまいます。
一応水平を測っておきます。
立ち上がり部分の型枠
隣の部屋で付けた根太受けの下に一時的に木材を打ちこんで型枠をぶら下げます。
仮にフィッティングだけします。
差し筋アンカー
本基礎の厚みは通常100mm~105mm薄い箇所は90mmです。
主筋となる鉄筋の径は13mmが望ましいようなのでD13を使いたいと思いましたが、ケミカルアンカーの必要な穴の長さは110mmでこれでは基礎を貫通してしまいます。
なので今回は差し筋アンカーのD13を使おうと考え購入してきました。
これなら穴の長さが50mmで済みます、貫通しません。
サイズ | 長さ | スリーブ | 適合ドリル径 |
D13×600(φ17.5mm) | 600mm | 17.5mm×50mm | 18.0mm |
適合ドリル径は18mmということですが17mmしかなかったのでこれで一旦空けてみます。
試しにこれで深さ50mmを空けてみます。
ふと思った
差し筋アンカーはハンマーで叩くと金具が広がってつっかえる、ケミカルアンカーは接着剤で固まる
両者を同時に使ったら強度が向上しないだろうか?
差し筋アンカーの穴あけ長さでケミカルアンカーが使えないだろうか?
あと施工アンカー協会に電話をして聞いてみた
当方技術的知識に乏しいためよくメーカーにも電話します。
分からない事は専門家に聞いて確かめます。
メーカーの方々いつもありがとうございます。
技術担当の方に個人DIYで戸建てをリフォームしている旨をお伝えし相談に乗ってもらいました。
ケミカルアンカーで差し筋アンカーを
取り付けるのはありですか?
強度は向上しますか?
なしです。
残念ながらこのふたつの足し算で
強度は向上しません。
というかNGです。
そうですか・・・
素人の安直な考えでした。
では、厚さ100mm程の布基礎に
異型鉄筋D13をハンマーで施工するタイプの
ケミカルアンカー(PG13)を使用しつつ
施工要件を満たす方法はありますか?
専用の電動工具が使えないならこの製品しかないですね。
基礎が100mm程度なら当該製品は穴の長さが
110mm必要ですので厳しいですね。
穴の長さが足りないのを承知でPG13を使う事は絶対禁止
という事ではないです。
でも、穴の長さが確保できないと中の薬剤がちゃんと混ざらないかもしれません。
「強度が足りなくなるだけで
出来ないことはないですよ」という事ですね。
そうですね。
施工要件を守らないといけないのは業者として施工する場合です。
ご自身でされる分には適用外です。
ちなみに差し筋アンカーはケミカルアンカーにくらべて
かなり弱いです。
順番でいうと
正しい施工ができたケミカルアンカー > 正しい施工が出来ていないケミカルアンカー >>>>差し筋アンカー
です。
何か良い方法はないものでしょうかね・・・
提案ですが
差し込むのはケミカルアンカーPG10と異型鉄筋D10というのはどうでしょう?
これなら穴の長さは90mmなので要件通り空けられますし過去の実績があります。
つなぐ鉄筋はD13で。
なるほど!!
それで行きます。
鉄筋同士500mm以上重ねてくださいね。
※400mmと仰ったか500mmと仰ったか
ちょっと記憶が曖昧です。
分かりました。
ありがとうございました。
DIYがんばってくださいね。
計画変更:ケミカルアンカーでD10を固定する
今回はとても有用な情報を教えていただきました。
技術担当の方ありがとうございました。
差し筋アンカーは勿体ないですがケミカルアンカーのが強度が高いということでD13を諦めD10で対応することにします。
やり直し
既に幾つか穴を15mmと17mmで深さ50mm空けてしまいましたが取り返しがつかないのでこれは諦めます。今から続いて穴の長さを90mmに延長、ドリル径を12.5mmにしてケミカルアンカーを施工していきたいと思います。
基本的にはYoutubeで見た手順を真似て施工していますが要点は「穴の中に粉を残さない事」だと思います。
打ち継ぎ面なので目荒らししました。
立ち上がりになる場所を墨付けして穴あけしました。
ブラシでドリルで出た粉を外へ出します。
集塵機で吸い取り綺麗にします。
専用のブラシで穴の中をこすって残りの粉を出しつつ中を目荒らしもしてるのかな?
ブラシで擦ると粉が再び出るので中をブロアで吹きます。
とにかく粉を除去します。
ケミカルアンカーを穴にセット
後ろからハンマーでケミカルアンカーを叩き割って薬剤を出します。
鉄筋同士の幅は55mm
なおジョイントは600mm以上確保しています。
ここで一旦作業終了、養生しました。