築50の在来工法で建てられた我が家は小屋裏は断熱なし・天井はベニヤ造りで通気口が片方空いていないような環境でした。
リフォーム前に撮った写真はこんな感じでした。
これを、桁で断熱して、通気口をちゃんと設けて、安全に小屋裏へ上がれるようにします。
まず人が小屋裏へ上がって自由に移動できる床を造る所から始めたいと思います。
天井の収まりを見る
2階居室の天井高を2400mmで設定し、逆算した吊木受けの下面位置を基準にしてレーザーを当てています。
天井下地の段取りをしつつ、桁上断熱を設置すると屋根までどれ位高さが残るのか見ると、どうやらあまり余裕は無いようです。
吊木受けの下面位置へ水糸を張っておきます。
小屋裏床の収まりを見る
次に周りの構造物も勘案して小屋裏の床面の最適な高さを探ります。
下の補強写真は以前大工さんが施工してくれたヤツで補強材は既存に合わせてあり水平は取ってありません。
この補強材の上にパッキンで調整して根太を置けば水平になりそうです。
しかし、屋根との高さにはあまり余裕がありませんのでこの補強で入った梁の上面辺りを根太を受ける高さにしたいと考えてます。
小屋裏の床下地を検討
この6畳部屋の縦横寸法は約3.6m x 2.7m、部屋内には横架材が通っていません。
これは建物の強度としては弱く、あまり良くないのでは?
建築士の先生や大工さんにも補強を勧められた箇所です。
梁をどう載せる?
色々考えましたが、柱の無い場所へ梁を架けると既存の梁を補強しないと垂れると思うんですよね~多分・・・
なので梁は105mm x 150mm x 3mのベイマツKD材を使って柱がある位置へT字に繋いで架ける事にしました。
架けた梁の上に根太を乗せようと思います。
梁を入れる高さを設定
周囲の収まりを見て梁の下面は吊木受けの下面から25mm上部で手を打ちました。
これにより天井のPBからから梁の上面まで(150+25+40+27)242mmで天井PBから小屋裏床まで(+45)287mmの高さ(厚み)が確保されました。
梁の下面と天井PBとの間が(25+40+27)92mmで少し通気が気になりましたが100mm弱空いていれば問題無いと判断、小屋裏の高さにも余裕がないのでここは妥協です。
いつもの事ですが初めての事が多くて施工が手探りではありますが拡張性と汎用性を持たせ、考えながら施工していきます。
小屋裏束を切り欠く
位置が決まったので梁をハメるホゾ(でいいのかな?)を小屋裏束に切り欠きます。
もう小屋裏の束は垂直に立っていないけど丸ノコは水平に入れる必要がありますので丸ノコガイド(端材)にちょっと傾斜を付け水平に切り込みが入るようにしました。
ある程度水平に切れたようです。
天端が水平に切れても「下(既存梁)はどうなんだ?傾斜してるのでは?」とか考えるとここでも意義が良く分からなくなりますが、これは加工で何とかします。
傾きに準じなくてよいのか?
傾いた構造体に水平垂直に構造材を入れてよいのか?
という疑問があります。
ですが以前大工さんがこのように仰っていました。
「耐力壁を法的に造る場合、垂直に立ててはならず家の傾きに合わせる決まりがある」と。
この会話の内容から察するに「本当は垂直に壁を立てたいが認可を必要とする耐力壁は取る事が許されない」。
ということではないかと。
ここからは想像ですが、水平垂直を取ってしまうと構造計算が出来ない(又は複雑になる?)のかも知れません。
斜めになった箱に水平垂直の補強がマイナスになるとは到底思えません。
そうしないと補強は延々と傾いた補強材を付ける事になりこっちのが怖すぎるでしょ。
寸法を取る
というわけで梁の寸法を取ります。
こんな時プロがどうやるかは知りませんが、素人が思った寸法を切り出すにはそれなりに工夫しないとね。
その1:水糸を活用
ちょっとの事ですが、なるべく精度を上げたいので梁の天端位置に水糸を張って位置を決めました。
このシルエットが加工する形になるので寸法は取り易いです。
その2:材料で寸法を採る
こんなに大きいヤツをミリ単位で加工する場合スケールでは狂いが生じますので実際の木材使ってを寸法を取りました。
梁1本目
寸法が取れたので梁を加工します。
こういうとき一人はちょっと大変です。
脚立へ載せて片方づつ・・・
何とか入りました。
写真でいうと奥へ置いて手前に叩きながら切り欠いた小屋裏束の下へ持っていきました。
寸法ギリギリで狙ったとおりの収まりです。
ちなみに(建物自体が水平ではないので)梁の転びを無くすように寸法を微妙に変えて加工しています。
水平チェック
レーザーで水平に入ったかチェックです。
OK!!
転びもほぼOK!!
大入れ蟻掛けを掘る
一旦降ろして大入れ蟻掛けのメス掘ります。
もう1本の梁へ大入れ蟻掛けのオス掘ります。
テスト合体
OK!!
梁2本目
仕口を一旦外して再び1本目を上げます。
んで、交差する2本目の梁の長さを採寸をします。
大入れメスを掘る
既存の桁へ大入れメスを掘ります。
「蟻掛けを掘ってやろうか・・・」と、ちょと考えましたが既存の梁が割れたりしたら大変なので大入れ+金物対応で手を打ちました。
大入れオスを切る
屋根材があるので天端は斜めカットです。
梁2本目を入れる
2本目を入れます。
また、脚立2脚に乗せて・・・
よっこいしょ!!
丁度良い塩梅になったようです。
入りました。
スカスカではなく、かといって硬すぎて全然入らないとかでもないハンマーで「コンコン」叩いて徐々に入っていく感じです。
贅沢を言えばもうちょっとメスの下面を深く掘るべきだったかもしれません。
が、重さで馴染んでいくのではと希望的観測です。
架けた梁の水平をチェック
上下の水平チェック良好
一旦完了。
次回へ続きます。