基礎割れを起こしてたので基礎を増し打ちで補強するため既存の無筋布基礎へ穴を空け鉄筋をあと施工アンカーで接着して型枠も組みました。
しかし補強の増し打ち基礎には可能なら既存の柱へ繋げるホールダウンアンカーを入れたくて、コンクリートを打つ前に筋交とホールダウンアンカーの取り合いを確定させる必要があると考えシングルなのかダブルになるのか分かりませんが先に筋交を入れる事にしました。
リビングの窓について
掃き出し窓は以前のリフォームで新しいサッシに入れ替わりましたが、腰窓は昔ままです。
方角は掃き出し窓のある面は南、対角にある窓が西になります。
この部屋、窓が一部に集中し過ぎて眩し過ぎ殆どブラインドで遮光していました。
なのでこの2枚の窓のうち1枚は要らないと思っていて掃き出し窓と同じ面にある窓が廃止候補でした。
疑問があった
これは以前リフォームされた天井を解体し、上から貼られていた壁材を剥がして建築当初の土壁になった直後の写真ですが上には筋交らしきものが見えます
ちょっとわかりづらい写真ですがこの面も
コーナー窓
愚かしいんですがコレ最近分かった事で、この窓は「コーナー窓」というらしく、まんまですがコーナーにある窓です。
この「コーナー窓」というのは彩光と開放感が出る代わりに構造耐力が低くなるという代物なようです。
そりゃそうですよねこんな角に窓が付いてるなんて。
この掃き出し窓と同じ面の窓を埋めてダブルかシングルか現時点では未定ですが筋交を入れようと考えています。
土壁を落とす
壁の中を確かめる為、土壁を落とします。
表面に塗られた壁材がシールみたいに剥がれていきます。
ちょっと気持ちいい!
ヤな雰囲気
で、解体中何かおかしなモノが出土しました。
何故か窓枠の周囲にはモルタルが・・・
今までの土壁でこんな施工はありませんでした。
ヤな予感がしてきた。
正体現る
土壁を落としました。
あぁ〜ん?下に筋交は無いし上だって筋交が効いてないよね?
なんだこりゃ?
父に聞く
昔からこうなのであまり違和感無くて確認しなかったんですがこの筋交を見て父に聞いて見ました。
ここの窓、後付けか?
あぁ、後から付けた
元は壁だった
っておいマジか。。。
ということはこの角、完全に構造耐力を落として窓付けたのか。
気づかない私もアレだが筋交切られてるのこれで3箇所目だぞ?
この家どうなってるんだ。
もう1枚土壁を落とす
じゃぁここもか・・・と、土壁を落としてみるとWOW!!
何の補強も無しでガッツり切られてるじゃないですか。
右下の新しいバラ板は以前割れた外壁を補修したときのものです。
そうか・・・そうだよな・・・
補強されている筈って考える方がバカだ。
計画変更
やはりここは重要な場所、建物の角だし建てた大工さんが筋交入れるくらいだからこのエリアは最低でも現状回復が必要だと判断しました。
地震で外壁がバリバリに割れた訳が分かったわ。
最後の1枚も土壁を落とす
この面残りの土壁全部落としました。
ここだけ筋交生きてた。
こちらも以前の補修跡が出てきました。
開口を最小限でやったので手が入らなくって大変だったんですよ。
既存筋交の状態
このエリア、1本残してコーナー窓を取り付けのため筋交は切られていました。
筋交の仕様ですが、元々1スパンは910mm幅で建物の角へ突き立てる形の「くの字筋交」。
その対角にある2スパンは1スパン1300mm程の幅で、両方下から建物の角へ向かって上へと伸びる今はスタンダードなシングル。
筋交の寸法は幅80mm x 厚み30mm。
出窓を初期化
側面にガラスが無い本当に出っ張っただけのこの出窓ですが、後付け天板を解体します。
天板(といってもフローリング材)を外すと中は石膏ボードが木工用ボンドで挟まれていました。
石膏ボードを撤去すると何となく見た記憶のある光景が・・・
あーコレ、オレが貼ったヤツだ懐かしい。
昔の天板に戻りました。
出窓の初期化完了。
ここの壁は地震でどうなったのか考察
写真は震度6直後に割れたここの壁のちょうど真裏に当たる外壁ですが
撮影した複数写真のクラックをトレースしてみると、こんな感じに入っていた事が分かりました。
地震発生時、揺れに柱が負け過剰にしなり、圧力が基礎と土台周辺に集中、外壁をバリバリに割った。
という所でしょうか。
筋交が生きてたとしても割れていた可能性は十分にありますがここまで酷くなかったのではと思います。
補強プランを考える
土壁を落として中身を確認したので補強プランを考えて見ます。
構造計算とか出来ませんが大体どうにでもなりそうです。
ここでは当方が当時色々考えた頭の中をそのままアウトプットしています。
とりあえず小さくていいので換気窓は欲しいんですよねー。
新規耐力壁バージョン
強いは正義!!
ガチガチに補強するなら既存柱の手前に基礎が出来るのでこの上にもう1層耐力壁を設けて換気のため窓が少し欲しいのでこんな感じでしょうか?
中央にもう1本柱入れてもいいし。
調和乱して材料湯水過ぎ
壁自体は強いけど周りもたっぷり補強しないといけないし、効かすにはジャッキアップしないといけないのではないかと思うんですね。
すると他の施工済み箇所の水平垂直が狂ってしまう。
初めからやっておけば・・・とかいうとスケルトンジャッキアップが最コスパになってしまうし、そんなの最初は出来なかったのでこれは「たられば」。
この案でやるには部屋のスペース削って材料コストに見合う成果になりづらいかと考えて残念ながら却下。
【今更遅い】それに多分こうしないといけない(のではと思う)
こんなにガチガチに補強するなら2階の荷重をメインで支えている既存のどデカい梁の下から直交して最低でも両方に入れて、先にも支える柱を用意しないといけない(じゃないと意味が薄い)のではないかと思うんですね。
ちょっとイメージ合成雑ですが、こんな感じではないかと。
やれば出来そうな気もしますが梁は出っ張り部屋も狭くなって時間も掛かって材料費で破産するんじゃ余計に割に合わないですねぇー
でも、最初からこう出来ていたらやっていたかも・・・。
既存柱へ添え補強バージョン
半材を既存柱に添えて補強、これに伴い補強材は垂直を出して壁下地として成立させ筋交ダブル。
金物ビスが貫通して割れてしまうではないか
補強方法はこれが秀逸。
補強と同時に傾いた柱へ垂直な壁下地を作れる1プレイ2アクション。
コーナー及び筋交金物必須ですので金物の構造ビスが貫通して補強材を割ってしまう。
もしかしたら何か方法あるのかも知れませんが普通に考えて金物の性能出せません。
この方法が好きだけど却下。
1本だけ柱入れるバージョン
1本だけ周りが動かないように騙し騙し柱を入れて両端筋交ダブル。
耐力壁の幅が狭い
当方の感覚だとこれが正解なんですがこの方法だと写真左の耐力壁の幅が700mm台になります。
耐力壁は幅900mmから成立するのだとか。
この情報を信じるなら建物角に(理論上)耐力壁を立てないという選択になってしまう。
おそらく900mm以下の幅では弱いという事なのでしょう。
また、この面は建物が外側に傾いているので既存の柱沿って新規の柱を入れると耐力に振り過ぎて微妙、垂直に入れようとすると通りが出ていないので位置決定しずらい。
知識と経験の浅い人間が攻めるのも面白いですがここは保守的に考えて不採用。
現状回復+アルファバージョン
柱への添え補強なし。
切られた筋交に沿って新しい筋交を入れつつ反対側に新規筋交でダブルに。
結局コレか
建築当初の筋交へ戻しつつ強化。
既存工法に沿っていると思われ構造耐力が著しく向上しない代わりに周囲の補強が少なくて済む。
生きていた筋交と一部機能が被るのが偏りになるけど面全体で受ける事ができるのは効率的。
材料費もこの中では安い方。
補強プラン決定
という訳で出窓面は素直に筋交ダブル。
金物はこんな感じで入るのではとイメージしています。
こっちは窓を埋めるのであまり考える必要も無くダブル筋交で決定。
但し筋交入れるには先に窓を撤去して外壁下地を組む事が必要。
補強プランまとめ
- 筋交は全ダブル
- 換気用窓滑り出し窓欲しい(W300mm x H770mm想定)
- 既存筋交は(撤去時モルタル外壁がダメージ受ける恐れがあるので)撤去しない
- 上記環境につき筋交は30mm厚を採用
次の作業は窓撤去、外壁下地組みモルタル壁塗りになります。