リビングの床をさっさと貼ろうと解体したら基礎が割れてるし、コーナー窓で壁の強度が落ちてるし基礎も土台も筋交も補強してやり直してようやく床を貼る段階まできました。
部屋全体を(ほぼ)平行直角を目指して施工しいていたのですが造っていくとナカナカうまくいきません。
リビングの現況
基礎を増し打ちし土台を敷き載せ、向かって右側にある壁の切られた筋交も復活させ大引用の独立基礎も打ちました。

ちなみに向かって左側の壁は基礎から作った新しい耐力壁です。

建物の傾き
家全体は経年や地盤沈下等で傾いていて、この部屋の場合ざっくりと申し上げると写真のようにサッシ面の壁は室内側へ傾き、向かって右側の壁は外へ傾いています。

基礎割れは解決
我が家の基礎は無筋(鉄筋なし)の布基礎です。
この布基礎が50年間で地震風雨等あらゆる環境を耐えてはきましたが構造上負荷が掛かる箇所が割れていました。

この基礎割れも全て増し打ち補強を行いツイン基礎にして土台も添え抱かせ補強しました。

今回発見した基礎割れは比較的軽度ではあったものの周囲の新規基礎や補強済み基礎と同等の強度を持たせたので結果的には全体的にバランスよく高強度の基礎補強になったのではないか(希望的観測含む)と思われます。

基礎の補強状況は以下です。

根太掛け1枚目
このLDKエリアで唯一の根太掛けになります。
他の場所は基礎へ直接載せてあります。
ここは元々土台が下がっているうえに地盤沈下で下がっているので根太掛けを打ち付ける下地から作っていきます。

根太掛けを打ち付ける下地を作ったので根太掛けを1枚目付けていきます。

完了。

根太掛け2枚目
翌日続いて2枚目

完了。

金物取り付け
角やジョイント部分等は基本的には仕口を掘ってありますが追加で金物を取り付けていきたいと思います。
コーナー(かど)金物
添え抱かせた補強土台の角へホールダウンコーナー10kNを取り付け。

大引受け金物
続いて仮留めしていた105角大引受け金物をビス留め。

鋼製火打
最後に添え抱かせ補強した土台の四方に鋼製火打を取り付けて完了。

ちょっと強すぎるかな?・・・
垂直に壁を立て直す
冒頭に述べたとおりこの壁(柱)は室内側へ傾いていてその頂点(壁と天井の交わる位置)から垂直へ下ろした位置が最もスペースを犠牲にせず壁にできる位置で
写真の柱がこの壁面で最も内側へ傾いており、理論的にはここから垂直へ下ろせばいいわけです。

なお、傾いた柱は捻れてもいて、この捻れ頂点から現時点で余裕を持って7mm内側を壁下地面とする方向で進めていきます。

既存土台と基礎を留める
我が家の既存アンカーボルトは昔の考え方で免震を狙っての事なのか土台に留まっていません。
この点は建築士の方にもダメ出しされているので見つけたら固定していっています。
土台の穴を広げる
今回の箇所はボルトが短い為スクリュー座金を捩じ込みます。
アンカーボルトの穴にスクリュー座金が入る隙間を空けます。
木を削るための適切なホールソーはありませんでしたが持っている中で一番使えそうだったのがこのダイヤモンドホールソー、これでボルトの周囲にスクリュー座金が入る隙間を広げました。

スクリュー座金を捻じ込む
錆びたアンカーボルトへ金属片を撒き散らしながら強引に捩じ込んでいきます。

既存アンカーボルトへ新しいスクリュー座金が無事入りました。

錆と変形が理由なのか既存アンカーボルトの中には入れるナットサイズがミリもインチも合わない物がたまにあり、対処できない事がありましたが此処は比較的しっかり入りました。
掃き出し窓へ額縁を付ける
掃き出し窓の下へ額縁なるモノを付けていきたいと思います。
額縁とはサッシの下に付く化粧木枠材の呼び名なようです。
予め補強土台へサッシが額縁を飲み込む高さで溝を掘ってあります。
既存土台の上へ同じ高さになるよう下地を入れていきます。

額縁の下地を作る
先ずは土台へ45mm(寸5)角ベイマツ材を根太ボンドを塗布しつつ付けていきます。

サッシ本体にも下地どうしも擦れて鳴かないよう隙間を空けて取り付けました。
隙間は4mm以上空けた方が良かったかも知れませんがこれ以上の加工が面倒で2mm〜4mm以内です。

1層目の下地が入りました。
写真左下の割れは表面的なモノなのでボンドもあるし大丈夫かなと。

土台が水平ではないので傾斜に合わせて加工して更に下地2層目を貼り付けていきます。

額縁の化粧材を貼る
いよいよ初めて額縁なる化粧材を取り付けていきます。
先ず根太ボンド塗布

サッシへ飲み込ませつつ置いて

サッシのネジ穴へ45mm長のステンレス製ビスで留めて

対辺側にもビス

できました。

内側へ1mm程傾いていますが問題ないかと。

壁下地の下枠
内側へ傾いた柱を考慮した壁下地の通りと額縁が被る面積を欠き込んで

位置が100%確定ではありませんので一旦仮置き。

足場を作る
ビス留めはしていませんが既に加工済みである大引を載せて

ハイ、続いて根太を載せました。
一応寸法は出ていますが変動の可能性も考えて大きめに加工しています。
相変わらずこの作業はチョロい割に出来上がり感半端ないです。

合板を載せておきます。

足場があるだけで作業がスゲー楽です。
寸法が違うだとぉ!?
部屋の縦横は直角かつ対辺の寸法が極力合うようにしてしています。
また、内側へ傾いた柱へ垂直に立てる壁も当然対辺の寸法を合わせます。
概ね合っている筈ですが決める位置を確定させるため寸法を測ってみると・・・

あれ?
ダイニングキッチンとリビングの境目からサッシまでの寸法を測ってみると
サッシの両端部で2652mmと2647mmで5mm違ってます。


図面にするとこんな感じです。
中央にある壁は概ね一直線、中央下にある袖壁の調整はし易いし、右下の角は構造上幅員調整できますので対辺の寸法を合わせることには問題ない思っていたのに何故だ!?と考えて思い出しました。

そういえばそうだったわ


当時したプロとの会話
古い風呂場を引っ越してユニットバスにする際に新しく基礎を打とうと施工していました。

この時丁度大工さんが助っ人に来てくれて

このコンクリートを打つ前の鉄筋と型枠を見て大工さんが

ここの通りは何処から取ったの?

んで、こう答えました。

そりゃ(当然)
この(貴方の施工した)壁からですよ?

すると「間」が光の速さに加速、やや取り乱した様な雰囲気で

こ・・・この壁
開いているからね・・・
知ってるねん・・・知ってるねん・・・

そして私

あーそうなんですか。
開いてるんすか。
(開いているっつっても通りを合わせないといけないしなぁ・・・
んで、後ろめたさをバンバン感じるだけど・・・)
大工さんの態度は自分の施工した正しくない通りを踏襲された事からの動揺ではないかと鈍感な当方でも気付きました。
しかし型枠は出来てしまっているし、ユニットバスの通りも出してしまっていたので簡単に修正出来ない事からこの件には触れなかったのかも知れません。
この時はこれ以上会話する事もなく実作業に入りました。
しかもこの時はこの通りのズレがどのくらい影響するものなのか理解していませんでした。
所詮5mmされど5mm
本来設定すべき位置より入口側へ開いている壁と通りを合わせたためLDKの部屋ごとズレたという事です。
現状をオーバーに表現すると以下のような図面になります。

片方のサッシ端部が部屋の通りに5mm食い込んでいます。

本来の通りよりズレているということはこの時から理解していたのでこれを踏まえてなるべく直角になるよう墨を出していたんですがサッシからの寸法確認はしていませんでした。
建物も柱も傾いてるし・・・
今更ながらここのサッシもかなり正確に付いていたんじゃないかと感心します。
しかしこの件で、もしかしたらこの方凄いんじゃないかという疑惑が浮上します。
ある新しい柱について
現在ダイニングキッチンの状態はこんな感じで。
殆ど当方が入れた柱ですが写真の柱は大工さんが入れたモノです。

入れた理由は間取り変更のため、手前にあった柱を抜いてもらい新しい梁で支え飛ばし、残った位置へ2階を支えるため立てた柱です。


ですが柱下にある基礎はブロック製でしかも亀裂が入っていたので

自作の鉄筋入りコンクリート平板を下から鋼製束でつっかえ支持して

鉄筋入りコンクリート基礎へ置換しました。


そのとき土台が幾分かジャッキアップされ傾いていた既存梁が5mm戻って来てしまい上は修正し同時に新しい梁を架けました。

今となっては根元も修正して良かったんですが当時は柱へビスを打ち直す事で強度低下や破損する事を恐れたのと「正しい位置に入れてくれた筈」という気持ちが修正をためらわせました。
またズレている理由は基礎打ち直しの際のジャッキアップだと思っていました。
本当にジャッキアップで柱の根元は動いたのか?
しかしこのズレは本当にジャッキアップなのか?確かに上部は5mm程梁と共に引き寄せられ戻ってきた。
しかし、根元はジャッキアップで1mmは上がっても2mmは無い筈。
根元がそんなに捻れたり動いたりするか?
と、今更考え直してきました。
柱の角度
とはいってもこの柱の根元は基礎を打った事で動いた可能性は否めませんし通りを合わせるとこうなります。
この柱にだけ僅かに三角形が出来てしまっています。


これを大袈裟に図面にするとこうなります。

大工さんが入れた柱の角度が正しい?
そして現状を更に図面で表すとこんなイメージで
この柱、大工さんは自分が施工した壁に合わさず正しい角度で柱を入れてくれていたのか?
という疑問が湧いてきます。

で、測ってみた
疑問を持ったので測ってみることに。
大工さんが入れてくれた柱の面からの通りを簡略化せずに画像にすると以下のような感じになります。

大工さんの入れた柱から家の端まで4417mmで14mmのズレ。
サッシ幅1720mmで5mmのズレですので1000mm(1m)につき約2.9mmのズレです。
4400mm(4.4m)なら13mmズラしていれば合っていたことが分かりました。
誤差1mm
上述のように基礎を打った事で柱の根元が動いたなら誤差が拡大しますがそれでも微量です。
当方の計測の仕方が悪かったのかも知れませんし。
しかし・・・
何でこんなの分かるんだよ!?大工さんアナタ天才ですか?
こんなの本職なら当たり前なの?
スゲーな。
大工さんの立てた柱へ合わせていればよかったのでは?
えぇ、この柱へ合わせたかったんですが作った基礎から土台をズラして通りを修正しないといけないのとユニットバスエリアの寸法が狂うのが嫌で基礎の通りどおりに土台を設置しました。


言ってくれればよかったのに
仮説ですが大工さん天才説で考えると「以前私が施工した壁は入口に向かって開いているその通りではなく正しい通りに柱を置いたからコレを基準にすればいいよ」とでも言ってくれればよかったのに。
すると基礎の通りもユニットバスエリアの通りも狂うからやっぱ言えなかったのかなぁ・・・
現実的な解決策
現実に戻ります。
でもまぁやってしまったし、サッシは動かせないので
- 部屋の寸法違い5mmを妥協する
- 額縁の両端部で5mmの違いを吸収(許容)する
のどちらかかなぁ

で、折衝案
で、部屋の寸法を1mm妥協、額縁の奥行きが4mm変わる方で手を打ちました。

なんてカッコよく言ってますが実は5mm削ったんですが柱の傾きで4mmしか変わらなかったというのが真実です。
んで、もう面倒だったので4mmで放置です。
なので柱から7mmあった壁下地面が3mmになりました。

図面にするとこうです。

もう、これでいいんじゃないでしょうか。
多分大丈夫なのではないかなぁ・・・
サッシ額縁に絡んだ壁下地の下枠を付けていく
載せた合板の上から部屋全体の寸法を再度確認、壁下地の位置を完全に確定させて下枠へ根太ボンド塗布

ビス留めしました。
取り付けた額縁の主たる目的はサッシに「しゃくり」を滑り込ませ一体化を図る事です。
なお、このまま化粧材になる可能性も考慮していますが状況をみて更に化粧材の上乗せを想定しています。

次回は付けた下枠から壁下地を立てていきます。
