【浴室】耐力壁を造る#1 構想・設計編

何もなかった場所へ基礎と土台を設置したので耐力壁を作ろうと考えました。 耐震補強

築50年の戸建て脱衣所なき狭小風呂を撤去、新たな場所にユニットバスを設置するため
土間と耐震強度向上のためにも基礎を打ち、土台を設置しました。今回は設置した土台の上に梁と柱を立てていきたいと思います。

【浴室】間取り変更で基礎を新規追加#9 コンクリート打設
本職の大工さんが助っ人に来てくれてコンクリート打設を手伝ってくれました。事前に型枠・鉄筋のチェックもしてもらいOKをもらいました。本職とコンリート打設をやって大変勉強になりました。
【浴室】昭和感漂う狭小風呂をユニットバスに#9 土台設置 仕口も掘ってアンカーボルトを留める
築50年の戸建て脱衣所なき狭小風呂を撤去、新たな場所にユニットバスを設置するため土間と耐震強度向上のためにも基礎を打ちました。今回は打った基礎の上へ土台を設置します。

DIYリフォームをして来て感じる難しさは「既存のモノに新規のモノを合わせる」事です。
重要だと感じるのは「全体の設計と妥協点の設定」です。


私は施工者であると同時に施主であり居住者です。妥協点が低いと生活環境の低下に繋がりますし「プロに手抜き工事された方がマシ」という事態になりかねません。
なのでなるべく妥協するにしても水準は高く施主の立場から求められる出来栄えを素人ながらも目指してやっています。

構造、どうする?

柱は立てるのですが、何本でどのような組み方が最適なのか?
バランスはあるでしょうけど本数が増えれば強度は高くなる傾向でしょうし既存の構造材を上手く受ければ受けるほど効率的に強度もアップするはず。

現状を図にするとこんな感じです。
土台は設置した以外は未だ何もありません。

左には既に筋交いシングルを入れた壁が存在します。

草案

基礎施工前から一応考えていたんですよ
その方法がコレ

梁草案

既存の最も梁せいのある梁を挟む形で両方へ新規梁を取り付け、羽子板ボルトで引っ張る。

柱草案

現状に合わせて柱は受けられる箇所へ合計2本程
間取りの収まりは別途対応。

筋交い草案

そして、筋交いはこんな感じ?

草案評価

悪くは無いけど色々と難あり

この方法だと建物を支えるのに十分とは言えないのではないかと考えました。
梁はホゾを付けにくいし何とか取り付けたとしても横の力はある程度吸収できそうですが建物の荷重が余り乗っていないと思うのです。
いや、これでもいいと思うんですよ?個人的には・・・
元々柱を抜いた訳でもないですし強度が低下した箇所は当該部分については有りません。
デフォルト状態からどのくらい足すのかです。

我が家の耐震強度について

話が若干逸れますが、我が家は耐震補強工事済です。
「なら別にこんな事しないでいいんじゃないの?」と言われそうですが耐震補強工事は「耐震等級1」を基準としていますのでさほど強いとは言えません。
築50年の家ですので当然といえば当然ですがもう少し強度を上げたいと考えています。

そこでこの壁ですよ

この耐力壁は1階に3スパン・2階に1スパンで設置してあります。
ここへ1階の耐力壁と向かい合う形で合計4スパンになる耐力壁を追加する事でバランス良く耐震強度を向上させようというのが願望です。

勝手な事して逆に耐震強度下がらない?

耐震補強は強度もさることながらバランスも大切といいますが
本件は「向上する事はあっても低下する事は無い」という結論です。
理由は

  • 耐震設計士に場所の指定はされず周辺の壁補強も推奨された
  • 耐震設計士に当該位置に壁を造る旨話したが否定を受けなかった
  • 耐力壁に対応する既存壁よりも内側にある

総評

常識的に言って建物の荷重を受け持つ構造体がバランスよく増えたと捉える事ができます。
悲観的に言ってもテーブルに脚が増えるだけなのでプラスは有ってもマイナスは無いという判断です。

もう少し耐震強度を上げられないか?

当初、普通の壁よりちょっと強そうな壁を想定していましたがもう少しレベルを上げたいと思うのです。

梁 新草案

そこで新案を考えます。

先ず、新規梁は最も梁せいのある梁の下へ。
その高さを基準に左右にくっつけよう。
室内側の梁にはホゾ、外壁側の桁下に補強材を抱かせよう。
これで梁1本で繋がる。

柱 新草案

柱は上にある梁と通りを同じにして支持させよう。
最悪通ってなくても梁の面で支持しているので大丈夫。

筋交い 新草案

筋交いはシングル1回経験してるので何とかできそう。ダブルも1回だけならやってみるか。

調査

可能かどうか現状調査します。

スペースの確認

室内側接続部の梁は比較的収まりが良いのですが外壁側はどうでしょう。
あらゆる障害物が邪魔して問題が出るかもしれませんので寸法を確認してみます。

最低でもこの幅が必要です。
土壁の木舞竹と下地があります。

上に桁の補強材、下に梁
可能そうです。

【偶然】規格材料で賄える高さにジャストフィット!

最も梁せいのある梁の下面(ツラ)からレーザーを飛ばして水平位置を確認すると桁からの寸法は254mmでした。
桁補強材:105mm+梁:150mm = 必要高さ:255mm
桁の傾きで1mm吸収されてしまうかもしれませんが
1mmは立てる柱を効かせるのに使えます、かなり幸運です!
いや、本当はこんな所まで最初から計画立てないと・・・

シュミレーション

実際の状態を端材等でシュミレーション
一番梁せいのある梁の下を基準に両サイドの高さを確認してみます。

ここが基準。
一番梁せいのある梁から150mm下でレーザーを当ててみる

室内側の梁位置

外壁側の梁位置

イケそうです。
運がよかっただけですが嬉しいです。
最悪各所を少し削れば収まりそうです。

旧草案と新案をまとめてみる

案名方法特徴既存部材への影響メリットデメリット強度収まり
旧草案梁は分割し、柱で既存梁を直接支える点で支える既存部材に加工を多用周辺の梁と高さが合う・傾きを無視するとずれるので既存梁の荷重を十分に負担させられない
・周辺の部材と接続部分が増える
・間取りの収まりが悪くなる
梁は分割されるので個別に機能
強度にやや不安
別途間仕切りで対応
新案梁を全体に渡してから下で支える面で支える既存部材に影響なし既存梁の荷重を完全に載せられる周辺の梁と高さが合わない梁は全体に渡されるので一体で機能良好

ホールダウンアンカーが邪魔?

基礎を打つ時から色々想定しながら施工していたのですがホールダウンアンカーは柱の根元を基準にしています。
建物が傾斜で梁も当然引っ張られ、柱位置の垂直上にはありません、ずれています。

ホールダウンアンカーが邪魔で柱を梁と同位置に動かせない

ずれている方向にはホールダウンアンカーが邪魔して十分に柱を合わせられません。
これは基礎施工時より認識していた問題ですが、間取りの収まりを優先してアンカーの位置を決めました。

でもこれは既存梁の一部に柱が梁からはみ出るだけで「それがどうした?」とも言えます。
はみ出ないようにするにはホールダウン用アンカーを切ってしまえばいいですがそれも勿体ない。
新案ならホールダウン用アンカーも現状のままで使えるし、梁にもがっちり荷重が乗せられるのでここは新案を採用しようと思います。

最終決定

ここまで来たら全部ダブル筋交いだ!!!
こんなの素人ができるのか・・・

次回はこちら

【浴室】耐力壁を造る#2 桁受け材で補強
まず、このクエストの始まりとなる門番の柱達に場所を空けてもらいます。既存桁下に補強材を入れるため点線の部分を切り欠いて受け材を入れていきます。
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