【浴室】耐力壁を造る#4 新たな柱を立てる 前編

渡した梁に新たな柱が立つビフォー・アフター 耐震補強

脱衣所なき狭小風呂を解体、ユニットバスを新しい場所へ設置するため間取り変更をします。
周辺を補強し、基礎を打ち、土台を設置し、その上に梁を渡しました。
今回は土台と梁の間に柱を立てていきます。

建築はDeleteとかでボタンで簡単に消せない

まぁ当然そうなんですが

各部位を順序よくキメていきたいとは常々思うのですが取り合いだとかもあるしそう上手くいきませんでして。
勿論、素人というのもありますが「こっちは出来るけど、こっちは○○の後でないとできない、またはリスクがある」とかがよくあります。
プロの方はもっと全体を分析した上で経験と知識を動員して詳細な計画を立てつつその場で上手く合わせるとか出来るんだと思いますが素人には残念ながらそこまでできません。
システム開発でもモジュール単位で作っても合わせるとおかしい事はよくあってコードなら消して書きなおせばいいですが、建築は壊してやり直すとか気軽にできません。

しかし、ゴールは分かっているので「そのために何をすべきか」「どの順序でやるか」を考えて素人なりにも思考して理想的なゴールへ辿り着く道を模索していきます。

また、危険な作業で自分がケガをしたり建物が傾いたり倒壊したりと取り返しのつかない事態には絶対になってはいけませんので、やってはいけない事は絶対にやらず遠回りになろうとも横着せずやっていきます。
それが近道かと思うんですよね。
知らんけど。

桁受け材残務処理

柱を立てる前に補強と高さ合わせのため入れた桁受けを既存の桁とM12のコーチボルトで留めて一体化します。

何で置いてんのさ?さっさとやれば?

何故先に留め付け無かったかというと、梁を入れたとき計算した場所へ正しく入らず梁が水平にならなかった場合、受け材の方を削る必要が有るかも知れなかったからです。
幸いにも上手くいきましたのでこのまま留め付けます。

既存桁に下穴

受け材には下穴が空いていますが桁には未だ下穴が空いていませんので空けます。

電動工具が入らないのでL型アダプターに8mmのドリルを付けて下穴を空けていきます。

狭いっ・・・

コーチボルト挿入

こちらも電動工具が入らないのでラチェットで手締めします。
硬いですが頑張ってねじ込んでいきます。
桁がボルトをねじ込むことで割れるかも知れないので耳を澄ませながらゆっくり確実に締めていきます。

いいか・・・バキッとか音がしたらすぐに手を止めるんだ!!!

無事留め付け完了。

受け梁と長尺梁の隙間チェック

留め付けた事で梁と隙間が出来ていたりしないかチェックです。

前方

向かって右側が密着しています。
傾斜の方向と同じなのでこれは正しいです。
良好。

1mmのスペーサーを突っ込むと僅かに入りますが途中でつっかえます。
良好。

側面

手前は密着、奥にやや隙間
桁は手前に傾斜しているので合っています。
良好。

隙間は奥に最大で2mmこれ以上突っ込んでも入りませんのでこれも合ってます。
良好。

考察

ここから柱で2〜3mm上げるのがベストではないかと踏んでいます。

梁の転びチェック

梁の上下の転びを水平器でチェックしておきます。

梁上

終端(部屋側):2mm程傾きあり
家屋傾斜に準じているOK

既存梁下:1mm程傾きあり
家屋傾斜に準じているOK

終端(外壁側):ほぼ水平
若干疑問が残るが材料の捻じれと判断

梁下

終端(部屋側):ほぼ水平
???

既存梁下:1mm傾きあり
???

終端(外壁側):1mm傾きあり
???

???
ミステリー発生・・・上下の値が合わない・・・
水平器の当て方が悪かったのかな?

1mmの世界なのでこれ以上追及するのは止めます。

柱を立てる

いよいよ柱を立てます。
6tの油圧ジャッキで上げて柱を入れます。

入れる順番どうする?

3本の柱はどういう順番で立てるのがいいのか?

  • 今ある柱に近い方から順番に?
  • 全体を枠として考えると端に当たる外壁側から?
  • どうでもいい?

結論

骨組みのある物を組みたてるときは外側から組む事が多いので外側から柱を立てる事にしました。

集成材の柱について

DIY当初大工さんから集成材の存在を教えてもらいました。
集成材とは複数の材料を接着剤でくっつけて柱の形に加工したもので
メリットが多く近年建築で重用されている建築資材です。
業界では常識な様ですが当方は知りませんでした。

メリットは何と言っても「狂いにくい」という事です。
無垢材は反るし割れるので柱では「背割り」という処理をして反ったり割れたりする事を防ぐというものなようです。

集成材に向きってあるの?

105角集成材の柱は5枚の板を合わせてできています。
面は「合わせた目がある面」と「ない面」があります。

こんな感じです。

面の状態が違うならそれぞれ特徴があるのではないかと思うのですが、ネットで検索しても出てきません。

問い合わせてみる

分からない事があれば専門家に聞くのが一番です。
「日本集成材協会」に問い合わせてみました。

私

集成材の柱についてご質問なのですが
シールが貼ってある面がメーカーによって違って関係なさそうですし・・・
向きって有るのでしょうか?

協会の方
協会の方

あーそれですね・・・
実は協会でもデータがないんですよ・・・

私

ではどっちもいいのですか?

協会の方
協会の方

柱はデータにないんですが梁はあります。
梁は積層面を横にします。
横に金物を付けても剥がれるとかがないんで

私

なるほど、梁では金物を付けるのは積層面になるのですね。
確かに積層面に付けるとそもそも接着自体がないので剥がれるという事が発生しないですね。

協会の方
協会の方

そうですね。
詳しくは金物メーカーにお問い合わせください。

積層面と非積層面

情報を得ました。
集成材の面について分かりやすい名前が付いてました。

確かに接着材で抵抗する面と抵抗しな面に分かれます。
接着剤で抵抗する非積層面では万が一剥がれる事も無いとも言えないということなようです。

結論

問い合わせた内容を勝手にまとめると

  • 柱については基本どっちでもいい
  • 非積層面に金物を付けた場合積層面からは剝離はあり得ないが非積層面は構造上(接着剤なので)剥がれる事が想定される

金物は横に付けるのでこうなりますね。

結論:金物を付ける面は積層面優先


今までもそうしていました。
まぁ間違っていても殆ど影響はないでしょう。

外壁側の柱を立てる

では、集成材の向きについて理解を深めたので外壁に面する終端部から立てていこうと思います。

土壁を落とす

桁受け材に極力乗せますので柱サイズに土壁を落とします。
カッターで切れ目を入れて皮を剥いて土壁をを落としていきます。

土壁がこれ以上落ちないように固めておきます。
これは別の目的で買ったヤツですが使えるはずです。

噴霧完了

ジャッキアップ

ジャッキに木材乗せて垂直にセット

未だ上げずに木材が抜けないギリギリで止めておきます。

ここでレーザーを当てて墨を付けておきます。
ここがゼロポイント。

2mmジャッキアップしました。

一旦梁と桁受け材の隙間をチェックします。
2mmあった隙間が1mm以下になりました
もうスペーサーが殆ど入りません、良好です。

採寸

柱の寸法を測ります。
スケールなどでは曲がったりして正確に採寸できませんのでLVL間柱を使います。

加工

安全のため実寸より1mm程プラスで切断しました。

挿入

入れます。
ハンマーでコンコンと叩いて入れて
ジャッキを解放します。

レーザーで垂直を確認します。

OKです。

室内側終端部の柱を立てる

今度は室内側の端に柱を立てます。

同じ様にジャッキアップ。

3mmジャッキアップしました。

採寸してカット。

レーザーで垂直確認。

一旦引けぃ

半分だけ入れておきます。
何故かというと・・・

ここに土台(といっても真下に基礎なし)を入れるからです。

次回後編に続く

【浴室】耐力壁を造る#5 新たな柱を立てる 中編
古い家ですので耐震強度が低く少しでも改善できればということで壁は耐力壁を立てるべく新しく基礎を打ち、土台を設置、梁を追加して現在は柱を立てていっています。土台設置の過程で後回しにしていた箇所を処理してから続けて柱を立てていきたいと思います。
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