築50年の一戸建ては今の戸建と比較すると断熱材も入っていないし性能も耐震強度も低いです。そこで、ある程度補強もしつつ快適に暮らせるようDIYでリフォーム中です。
今回は2階(特に夏場)の暑さを解消するため断熱しようと考えました。
2階が暑い原因は主に太陽で熱せられた屋根からの輻射熱。
輻射熱で温められた空気が小屋裏に滞留し下の空気を温め続け連鎖で2階居室の温度が上昇してしまう。
この輻射熱を居室より手前で阻止しようという考えです。
天井の上にもう1層別に桁の上に断熱層を作る「桁上断熱」という断熱方法を採用し、建物の構造上断熱材が薄くなってしまう箇所は位置を桁中まで下げ「桁中断熱」とします。
断熱工事で注意した事
夏場の暑さに対する断熱ですが、冬場の寒暖逆転にも対応していなければならず
また、1年を通して結露を絶対に起こさないようしなければなりません。
そのためには
- 断熱層と居室を完全に区切る
- 小屋裏における妻換気の床面積に対する有効換気口面積を満たす
なお、低温または高温になった外壁から逆の温度の空気が接触して結露しないようにする為の付帯事項として
- 土壁の調湿・蓄熱を活かす
- 土壁がない箇所は断熱材
- 現状では壁から屋根に繋がる部分を塞がない(要観察)
とします。
断熱材は足りているのか
当該物件のある地域区分は5、または6となります。
断熱材はスタイロフォーム(スタイロエース2)90mm厚を入れます。
スタイロエース2(熱伝導率0.028W/m・k)は、スタイロフォームIB(熱伝導率0.036W/m・k)の約1.3倍の断熱性能があるので比較すると、およそ115mm厚の断熱性能がありまた、32Kのグラスウールに換算しても115mm厚と同等です。
5・6地域における断熱等級4では断熱材の厚みはスタイロエース2なら60mmで要件を満たすようで、90mm厚なら余裕の要件クリア。
断熱層に限っては断熱等級5以上6未満ってところでしょうか。
現在施工状況
前回この方法で初めて6畳間居室の断熱をしました。
今回は廊下と4畳半部屋を施工します。
廊下を断熱施工
先ず廊下です。
現在の下地はこんな感じです。
この下地を留めつけて断熱材(スタイロエース2 45mm厚)を1層詰めます。
但し左側のエリアは桁中断熱にするので下げた分断熱材が薄くならないように予め200mm幅断熱材を詰めておき、下地材で押えてビス留めします。
そして桁上断熱と桁中断熱の高低差がある箇所には高さ90mmの下り天井下地を組みます。
桁上断熱2層目断熱材詰め、桁中断熱にも2層詰まりました。
断熱材は極力無駄なく使っていきます。
防湿防水シートを全面にタッカーで貼り付けて
12mm合板で防湿防水シートを押さえつつビス留めしました。
4畳半部屋を断熱施工
続いて4畳半部屋です。
ここには以前大工さんが補強してくれた梁が入っています。
補強は傾いた建物成りに付いていますので水平ではなく基準には使えません。
なので高さを調整しながら下地を組み断熱材(スタイロエース2 45mm)を合板用の下地を組みつつ2層詰めていきました。
90mm大引をジョイント位置として防湿防水シートをタッカーで留め付け欠損無きよう貼り付けていきます。
防湿防水シートを押さえつつ38mmフレキビスで構造用合板を留めつけていきます。
また、メンテナンス用の点検口を開口しておきます。
この下に天井下地を組むので適正位置に吊り木受けを取り付けます。
下り天井の桁中断熱はこんな感じです。
火打の内側は天井下地との取り合いがあるので今は放置します。
断熱層の隙間を塞ぐ
断熱材の下へ防湿防水シートを貼り、合板で仕上げた断熱層の角を処理したいと思います。
角は防湿防水シートを余分に垂らしていますので側面に胴縁をタッカーで打ち付けシートを押さえつつ角を処理します。
余分なシートはどっちでもいい気がしますが一応カットしておいて
これで理論的には断熱層と居室を分ける事が出来ました。
仕上げに不規則な形の断熱材を加工する
ここは4畳半部屋の断熱層上にある小屋裏です。
上述したように補強梁は水平ではないので断熱材を入れるべき場所が不規則な寸法で空いています。
これに個々合うように加工した断熱材を入れていき・・・
つか、火気厳禁って文字が怖い。
断熱材完了
合板敷き直して今回はこれで終了。
次回はこちら