とてつもなく大変だった外壁の再生工事

外壁を再生した8カットのプロセスを1枚にした画像 塗装

外壁のひび割れのヤバを理解しておらず設計士の先生に忠告を貰い壁を補修しているとダメージが想像以上で、当方にとっては物凄く大変な工事になりました。

比較的簡単なコーキングや少しレベルアップしてモルタル塗りを経験し外壁補修にもある程度慣れてきて手さぐりだった「割れたモルタル壁に対する補修の方法」が素人なりにも少しづつ固まって(文字通り)きました。
他の場所と比べても損傷が激しいので「他で経験を積んでから挑もう」と計画していたのですが、その経験をはるかに超える箇所でした。

作業については被害の全容を把握することが経験薄で難しく、削っては確認を繰り返しダメな部分を切り分けていき対処方法を選定しながら作業をすすめていきました。取り返しのつかない事態になってプロにお願いすると費用が別途発生してしまうため慎重に作業を行いました。

場所の説明

場所はここです。

外壁の再生工事の場所を平面図面で解説

1階の角です。

外壁の再生工事の場所を立面イラストで解説

イラストで書くとこんな感じです。
はめ殺し窓があります。

状態

大きなヒビが入り一部モルタル壁が落ちてしまってはいるけど、「単なる亀裂」だと思っていました。

モルタルが欠落した壁

モルタルは落ちてますけどパテで埋めればいいのでは?

窓枠に沿って入った亀裂

亀裂は入ってます、並の亀裂でしょ?Uカットでいい?

横に入った下部の亀裂

うんうん、亀裂は入っているけど補修したらいいよね?

この亀裂の中がどうなっているのかなど当初は分かりませんでした。

浮いたモルタルを剥がしていく

モルタルが浮いてしまっている箇所はダメなので剥がしていきます。

浮いたモルタルを剥がして下地が露出

バラ板メッチャ腐ってます。
生きている箇所はなるべく残そうと頑張りましたが・・・

傷んだバラ板

結局ここは殆どダメでした。
おまけに上の方は桁まで腐って無くなっていました。
なんてこった・・・

桁の先端が朽ちている

下はマシでした。

外壁下部の下地

上部柱角のバラ板が腐っているので開口部を拡張します。

対角にある面の下地一部も傷んでいる

角の柱から放射状に腐っています。

対角面の位置をイラストで説明

赤点線の箇所を追加で開口しました。

モルタル壁の亀裂に雨水が浸入してきて木が腐ったのがよく分かります。

腐った下地を撤去

浮き・腐れなどがある箇所は撤去です。
但し撤去後の下地組みを考えて撤去します。

モルタルと下地を撤去した上部

 筋交いの部分は残してバラ板を撤去、向かって右側には辛うじて下地が通っています。

モルタルと下地を撤去した対角面

生きている次の下地まで切断しました。

モルタルを撤去した下部

下側は最下部のバラ板だけ腐っていました。

防腐処理

これ以上傷まないように防腐剤を全体に吹き付けます。
効果あるのかな?

木材へ防腐処理

窓撤去を決意

この開かないはめ殺し窓は嫌いでした。
取ってしまいます。

嵌め殺し窓

撤去完了。
さようなら。

嵌め殺し窓撤去

下地作成

新しく下地を組みます。

嵌め殺し窓撤去後下地組み

窓の撤去に伴い土壁を落としました。
既存の下地を利用して時には金物も使って強度を確保していきます。

対角面下地組み

今の下地に同サイズの材料を抱かせてビスを打てるようにして、梁が腐って受けが弱くなっている方は半材を抱かせて補強しました。

下部バラ板交換

下はバラ板1枚の交換で済みました。

構造用合板貼りつけ

上部2面は構造用合板を貼りつける事にしました。

構造用合板貼り付け

綺麗に入りました。

桁部と合板の飲み込み

苦肉の策で上の下地を支えるようにして貼り合板の面で支えるように貼りました。

対角面に貼り付けた構造用合板

こちらも上を支えるようにして貼りました。

シーラー塗布

モルタルを塗り継ぐ部分にしっかりシーラー(水性)を塗ります。
このシーラーという液体は塗り継ぐモルタルの水分を吸い込まないようにする事と接着を良くする為なようです。

モルタルの継目にシーラー塗布

ラベルの説明によれば30分~1時間で適正な乾燥時間となります。

コーキング

構造用合板とモルタルの間に水が入ってこないように周囲をびっちりコーキングします。

構造用合板とモルタルの間のコーキング

コーキング剤を中まで詰め込めるだけ詰めました。

防水紙・ラス網貼りつけ

防水紙(アスファルトフェルト)とラス網(2重)を貼りタッカーで留めました。
あと、鉄製のアングルを付けて角を強化しました。

防水紙(アスファルトフェルト)を貼る
ラス網を貼り角にアングル
対角面にも防水紙(アスファルトフェルト)を貼る
対角面にもラス網を貼り角にアングル

下部は先に施工してしまい結果的に上の構造用合板との間に隙間が出来てしまいました。
開口周りにボンドKモルタルを塗って強度を確保しました。
もっと広く開口すればよかったです。

下部にも防水紙(アスファルトフェルト)を貼る
下部にラス網を貼る
上部と下部のラス網を繋ぐ

モルタル塗り

モルタル壁塗り1回目

1回目塗り直後

モルタル壁塗り1回目硬化後

1週間後

モルタル壁塗り1回目硬化後シーラー塗布

シーラー塗布

4回繰り返す

およそ1週間乾燥期間を設け4回目まで塗りました。
多分40mm厚くらいになったと思います。
時間がかかります。

モルタル壁合計残り3回塗り3カットを1枚にした画像

ちなみに2回目はツルツルすぎてモルタルがあまり乗らず3回目で再び粗めの塗りにしました。

乾燥後

初回モルタル塗りからおよそ1か月経過してようやく壁が出来上がりました。
長かったです。

モルタル壁再生完了上部

こんな長くて高いモルタル壁を塗る事になるとは・・・
頑張ったんですがあまり平滑ではありません。

モルタル壁再生完了角部分

ビニールで養生したので後が付いています。

モルタル壁再生完了下部

悪い箇所はひととおり取り除けました。

DIY左官作業で分かった事

この作業が終わって分かった事はモルタルは・・・

  • 思ったほどくっついてくれない
  • かなりボトボト落ちる
  • 何度も均しすぎない(引っ張られて戻らなくなる)

です。

塗装

モルタルむき出しなので塗装をします。

モルタル壁塗装下地フィーラー

日本ペイント水性1液弾性塗料「パーフェクトフィーラー」です。

モルタル壁塗装

本塗りは日本ペイント水性弾性塗料の「パーフェクトトップ」です。
2回塗りました。
やはり2回塗ると艶が出ますね。

タイル吹き付けもどき模様

ちゃんと吹き付けがしたくて3馬力のエンジンコンプレッサーの調達を考えていたのですが素人が購入して後々後悔しそうだったので断念しました。

代わりに「タイル吹き付けのように見えない事もない?模様」を付ける方法を知人のアドバイスでひらめきました。

フィーラーを立てて塗る

砂骨ローラーにフィーラーを多めに付けて先端を立てるように塗っていきます。

立てたフィーラーを潰す

フィーラーの表面が乾いてきたらローラーで潰していきます。

擬似的吹き付け模様完成

あら!!吹き付けした!?ように見えなくもない模様になりました。

本塗り

再び2回本塗りをしました。

再生済みモルタル外壁全体外観
再生済みモルタル外壁対角面
再生済みモルタル外壁下部

完成

大変でしたが壁は無事完成しました。

震災当初から合板貼り付け再生完了までの3カットビフォー・アフターを1枚にした画像
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