【外壁塗装・補修】2階窓を埋めて壁にする#2 モルタル壁作成編

2階窓を埋めてモルタル壁にしたビフォー・アフター 外壁

前章で不要な小窓を無くすため撤去して下地を組みました。
本物件の外壁はモルタル壁ですので今回はラス工法を行ってモルタル壁を作りたいと思います。

防水処理

本作業の要点は防水処理だと認識しており、主に以下を念頭に作業を行ないました。

  1. 外壁と内側部材の分離させ防水処理
  2. 上部の古い防水紙(アスファルトフェルト)は下へ垂らして雨水の侵入を防止

防水紙を開口サイズにカットします。
なお、当方はサイズカットの際は画鋲で留めて作業しました。

最低限のタッカーを打ちこみ
フチ(開口部)をコーキングします。
タッカー等で破れた箇所や隙間にもコーキング剤を充填しました。

一応完成です。
コーキングが乾くまで置いておきます。

ラス網貼り付け

サイズ加工したラス網を取り付けて固定してきます。
今回は波型ラスを採用してみました。
普通のラス網(平ラス)より1度の作業でモルタルが沢山載りそうで使用してみたかったというのが採用理由です。

エアタッカーでステープルを打ち込んでいきます。

開口部の下部に隙間があったので追加でコーキングしました。

ラス網貼り付け完了

ラス網の貼り付けが完了しました。
ネットで参照した日本建築仕上材工業会の「ラス下地既調合軽量セメントモルタル塗り工法 施工要領書(案)」によると100mm間隔でタッカーの針を打ち込むとされていましたので1平米につき10本 x 10本 = 100本タッカーの針を打ち込んでおけば安心な範囲ではないでしょうか。
当該箇所の寸法はおよそ、横:120mm X 縦:80mm程ですので1平米、タッカーの針は100本以上。
施工要領書では軽量モルタルを前提としていたので20%程重量の重い普通モルタルで施工した事と、補修につき継ぎ目が全方位であることから本工事では念のため継ぎ目を重点的に150本ほど打ち込んでおきました。

参考施工要領

施工対象の協会や団体が掲載している施工要領や手順書が素人にとっては役に立ちます。

ステープルの間隔について

ステープルの間隔は継ぎ目部70mm以内、中間部100mm以内とし、浮き、たるみができないよう千 鳥に谷部を留め付ける。

ラス下地既調合軽量セメントモルタル塗り工法 施工要領書(案)

http://www.nsk-web.org/morutaru/img/rasu201307.pdf

つなぎ目は間隔を短く留めました。

波型ラスへのステープルの留め方について

波形ラスの留め付けは、JIS A 5556 (工業用ステープル)に適合する 1019J (線厚 0.6mm × 線幅 1.15mm × 足長さ 19mm )以上で留め縦横ともに 100mm 間隔以内とする。波形ラスの山部分には原則として留め付けはしないこととし浮き上がりやたるみがないように留める。

波形ラス(湿式工法)の張り方

http://www.kawaguchitetsumou.co.jp/lath/seko.html

タッカーの針(ステープル)は上記ページでは「1019J」を指定されていますが
当方は「1013J」使用しました。

波型ラスの山部分にはタッカーは打ちこまず谷部分に打ちこみました。

ステープルサイズについて

ステープルは打ち付ける部材を貫通しない方がよいはずなので今回なら12mm合板+防水紙+ラス厚で13mm~14mm程になると思われます。
従って、13mmがギリギリ貫通しない長さとなります。
なお、ステープル使用において今回のようなギリギリが理想だとか聞いたこともありますがちょと間違っているかもです。

あと、知り合いの大工さんから「これが正しい」との見解をいただいた事も理由のひとつです。
おそらく上記のステープルサイズ(1019)は打ち付ける部材が18mm以上ある物を想定したものだと解釈しました。

シーラー塗布後、養生して一旦終了

追加でコーキングしましたので乾くまで一旦養生します。
なお、今回のシーラーは塗布後1時間~3時間で次の作業に移れるようですが翌日も有効範囲という事でしたので先に塗っておきます。

ジョイント部分にシーラーを塗布します。

マスカーを貼って周囲を養生テープで補強しました。

モルタル1回目塗り

翌日モルタルを塗りました。
今回は初めて軽量モルタルではなく普通のモルタル(ポルトランドセメント+砂)で作業してみました。

塗った感想ですが、とても塗りにくかったです。
くっつきにくいし、スムーズに塗れない。軽量モルタルより難易度が高かったです。
モルタルの配合はセメント1:砂2.5:水:0.5です。

なぜ普通モルタルを塗ったのか

今回普通のモルタルを塗ったのには理由があります。
理由は「少しでも遮音性能を向上させたい」からです。
遮音効果は材料の重量に比例するとの事。
この点について実生活でも経験済みです。

軽量モルタルの比重を調べると普通のモルタルより20%軽いようですので遮音性能も(素人考えですが)20%減ではないかと考え重い普通モルタルを選択しました。

縁も普通のモルタルは軽量モルタルよりひっつき難くて結構大変でした。
軽量モルタルの歴史は知りませんが、外壁に軽量モルタルが選ばれるのはというか、外壁用に塗りやすく作ったのが軽量モルタルなのでしょうか?

なんとか塗って養生

波型ラスのおかげもあって1回目にも係わらず沢山モルタルが載りました。
というか、こんなに沢山載って欲しくなかったのですが2回塗りで終わってしまいそうです。
最大15mm以上載ってしまった箇所もあると思います。
これでは次回は場所によってはかなり薄塗りになってしまいそうです。
3回に分けて丁寧に塗りたかったのですが無理なようです。
欠陥工事にならないか少し心配です。

反省点

事前にラス網の谷部と山の頂点を測っていればどのくらいモルタルが載るか分かったのではないかと思いますが測っていませんでした。
確認不足です。
今回の波型ラスの選択は主に興味からだったのですが確認不足が祟り出来栄えがよくありません。

モルタル1回目塗り(2日後)※確認のみ

まだ2回目を塗りませんがちょっと確認です。

保湿には成功しているようです。
ひび割れは起きにくいのではないでしょうか。

養生をめくって中身を確認です。
壁面は木鏝で目を荒らして塗りましたので予定どおりですがデコボコが激しいのは想定外です。
出来栄えにちょっとテンションが下がります。

モルタル2回目塗り(6日後)

塗り1回目から6日経ちました。
天候に恵まれ硬化も問題なくモルタル自体は塗りすぎた事を除いて良い仕上がりでした。
もうモルタルを塗れる余地はあまりないですが表面を均すのに2回目塗ってみようと思います。

シーラー塗布

下部はおよそ10mm程余地がありますが、上部は3mm〜5mmです。
右上の写真はシーラーを塗っている写真です。

2回目塗り完了にて養生(中はデコボコ)

あまりにも綺麗に塗れなくって意地になってしまい写真を撮るのを忘れてしまいました。
面はデコボコです。
下地の立て付け関係で合板の厚みが上下で違っていたのですが厚みの違う面を均一に塗るのがこれほど難しいとは思いませんでした。
なお、写真撮影を思い出したのは養生してからでした。
今回のモルタルの配合はセメント1:砂3:水:0.6です。

モルタル2回目塗り(翌日)※確認のみ

今回も保湿には成功しているようです。

モルタル3回目塗り(6日後)

酷い・・・あまりにも酷い壁面です。
これがデコボコになったモルタル壁です。
目を覆いたくなるくらい酷い有様です、素人丸出しです。

デコボコを樹脂モルタルで補修

今回3回目の塗りにはなりますが普通モルタルを薄塗りするのは不適切(というか出来ない)と判断しました。
当該箇所の厚み自体については予定以上モルタルが載り確保されたのでクリアとします。
従いまして、塗ったモルタルが少しでも剥がれないようなフォローと見た目の均一さを確保しようと思いますので、樹脂モルタルの「Kモルタル」を塗ります。

専用接着剤の「ユニエポ」を塗ってKモルタルを塗り出来るだけ均一になるようにしました。
余りにも面が汚かったので当方自身が早く塗りたくてユニエポの塗布状態の写真を撮るのをすっかり忘れていました、ご容赦ください。
これで次回塗装をしていきたいと思います。

あとがき

ここでは本章での「施工のミス」や「こうした方がよかった」など後から分かった事、疑問点などを記述しています。

防水紙(アスファルトフェルト)はエアタッカーで止めない

日本建築仕上材工業会の「ラス下地既調合軽量セメントモルタル塗り工法 施工要領書(案)」によるとアスファルトフェルト貼り付けにエアタッカーの使用は推奨されていませんでした。

以前目を通していた要領書でしたが熟読していませんでした。
あくまで「案」となっているので書いてあることは絶対ではないでしょうけどなるべく良い工事をしたいと思っておりましたので自分のいい加減さに残念な気持ちです。

エアタッカー非推奨の理由はおそらくパワーが強すぎてフェルトに余計な大きさの穴が開くからでしょうか。
使用したのは常圧タッカーですが、実際空いています。

防水シートの張付け
タッカーはガンタッカー又は電動タッカーを使用し、ハンマータッカー及 びエアータッカーは使用しない。

ラス下地既調合軽量セメントモルタル塗り工法 施工要領書(案)

http://www.nsk-web.org/morutaru/img/rasu201307.pdf

望ましい施工方法

望ましかった施工方法は当方ガンタッカーまたは電動タッカーを使うかもしくはステープルの針をハンマーで1本づつ手で丁寧に打ち込んでアスファルトフェルトにダメージを与えないようにしてもし、ダメージを与えた場合は重ね貼りで対応するのがよかったようです。

この点はエアタッカーの跡を観察して疑問に思っていたのでコーキングで穴をステープルごと埋めていますので一応防水処理にはなっているのではないかと思いますのでやり直しはせずこのまま行こうと思います。

万一、防水シートが損傷した場合は、防水テープを使用するか、防水シートを重ね張りして補修する。
ラス下地既調合軽量セメントモルタル塗り工法施工要領書(案)

http://www.nsk-web.org/morutaru/img/rasu201307.pdf

以下の画像も上記URLの引用です。

モルタル1回目塗りではひび割れは必ず起きる?

設計士さんの話では「モルタル壁の1回目では必ずひび割れが起き、それを2回目以降で包む」といわれたのですが1回目でひび割れは起きませんでした。

次回、外壁塗装です

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