ユニットバスの土間コンクリートを打設したときスルーしたこの木製束ですが色々考えましたがやはりこの木製束は今後20年以上は持たないという見立故、交換または補強が必要という考えに至りました。
何らかの方法でこの古い木製束を対処したいと思います。
木製束の現状
木製束はコの字型に割られたブロックを斜めにし「水平が取れるまで叩き込む」というある意味感心するやり方ですがやってほしい方法かというとNOなやり方で施工されていました。
感想としては「酷い工事だな」です。
木製束のブロックと接する根元は一部が朽ちてギザギザになっており、叩くと軽い音がしています。
「中は何割か腐っている」との見立てです。
指で叩いたり木製ハンマーで叩いたりすると中身が詰まっていない音が場所によってします。
これは腐っていると思いました。
水平を出すため斜めにブロックを置いて束も斜めに切断し、ハンマーで叩きながら水平を出したのだと想像できる見事?な手抜き工事という印象です。
ブロックの下は現時点では不明ですがとてもコンクリートが打ってあるとは思えない状態です。
設備屋さんに連絡
束が腐ってると思うんですよね。
えぇ~そうでしたか~?
そんなことなかったと思うんですけどねぇ~・・・
(疑いの物言い)
木製のままではどのみち長く持たないので
やり替えることにします。
数も足りないですし。
すみませんが工事を少しお待ちください。
わかりました。
木製束が負担していたと思われる荷重
束の上に立っている柱は2階のバルコニーと部屋の間の通り柱です。
なお、束の左右に1800mmづつ空間があり基礎があります。
下記の図面でいうと中央部屋の下半分と左右900mmづつ程度の荷重を担っているのではないか?と考えています。
結構重要な束では?
今後開けることも無いはずなのでしっかりとした補強を行っておきたいと思います。
なぜ、土間を打つ前にやらなかったの?
理由は「怖い・やり方が分からない・そもそもやりたくない」だったからです。
当初構造体に関係するパーツを触るなんてとんでもない!!建物が傾いたりするかもしれないから怖すぎる。
そもそも方法も分からないし正直面倒。べ・・・別に問題ないんじゃないのコレ(早口気味で)。
と、土間コンクリートを打ったときは思っておりました。
いや、多分目をそむけてたんです。
やり方も分かりませんし・・・
これ・・・出来そう
でも、リフォームの知識・経験が増え時には専門家からアドバイスを受けたりして出来る事の範囲が徐々に増えていきました。
これにより当該問題点の補強の必要性を理解できるようになりました。
見て見ぬふりをする必要が無くなって向き合う事ができるようになったとも言えるかもしれません。
計画的に補修ができていればもっと楽だったはず
今さらの話ですが本物件の不具合を把握し包括的に強度の向上と間取りの設計を行ってもらえるところがあれば大変助かったと思います。
しかしそのような業者の方は一つとしてありませんでした。
それも分かるような気はします。
思うに、築年数の古い戸建は「めくっただけ不具合が見つかる」故に深追いはしない。
のだと思います。
計画を立てる
当然ながらやったことありませんが解決の本質は見えています。
コンセプト:今以上の強度を確保
少なくとも今以上の強度を確保。
また工事自体がマイナスにならない事。
求めている水準
最低限当該木製束以上の強度を確保し、20年以上維持される施工
具体的には?
今の支えを維持しつつ新しい支えを追加または置換する
結論
土台の高さを維持しつつ問題個所を撤去、新しいものと置換でOKなはず。
施工にあたり2つの計画を構想しました。
計画A
木製束周辺に何箇所かブロックを設置し鋼製束で支え問題個所を新しい束に置換
計画B
木製束周辺の土台に沿って土を掘削、一旦コンクリートを打ち鋼製束で支え新しい束に置換
鋼製束ってどのくらい強いのか?
ところで鋼製束の耐荷重は如何ほどなのでしょうか?調べてみると
30KN/1本 = 3.06t(3060kgf)
※メーカー・製品・長さによって異なります
辺りなようです。
1本でおよそ3t結構強いんですね。複数立てれば耐荷重はアップできそうです。
どっちがいいかな?
計画A・計画Bそれぞれの特徴
/ | メリット | デメリット | 危険性 | 強度 |
---|---|---|---|---|
計画A | 楽・早い | 転圧が出来ていない箇所に ブロックを置くのでレベル(高さ)が下がる可能性あり | ややあり | 普通 |
計画B | 面倒・時間がかかる | 掘削後コンクリートを打つので下がる 可能性が低い | ほぼなし | 強 |
計画Aは転圧していない箇所へブロックを置く事で建物が下がる危険性あり、計画Bは面倒だけど複数ので支えで強いし安全。
そりゃ計画B
計画Aの早さは魅力的だけどリスクもある安全性を考えると面倒でも計画Bですね。
B計画+アルファ策定
あと面倒ついでに鉄筋入りのコンクリート基礎をT字に配置します。
こんな感じでしょうか。
今以上の強度確保はできるのか?
B計画をベースに進化させました、手順は以下です。
いや、出来るでしょう。
これだけ違うし・・・
手順をまとめてみる
- 周囲に一旦コンクリートを打って土台に鋼製束を立ててから木製束と鋼製束を置換
- 鉄筋を配筋、型枠を作る
- コンクリートを流し込む
次回実行に移してみます。