ダイニングキッチン24 大引き設置 ~小奇麗な独立基礎を作ってみる~

大引きと独立基礎を作ったビフォー・アフター ダイニングキッチン

築50年の我が家をDIYリフォームしています。
床を解体して基礎割れを発見して基礎補強をして土台も付け今回は大引きと束を取り付けます。
大引きは105角ヒノキを使用しコンクリート2次加工製品にコンクリートを流し固定し束とします。この施工を素人がどのくらいの施工精度でやれるのか試してみました。

大引き

6畳程の面積で大引きは通常は90mm角を使用するとは思うのですが今回は
105mm角を使用します、何故かというと

大引き用 105mm角 x 2本

強そうだからです。

大引きを仮設置

先ず大引きを仮置きして束の位置を現物合わせします。
105角の大引きは

高さと位置を特定して墨付け、仮置きしました。
この上に高さ90mmの根太が乗る予定です。
ちなみに基礎パッキンが面から出ていると105角の大引き金物は収まりません。

大引き仮設置

仮置きでレイアウトを確認します。

大引き仮設置状態全体

束の本数と位置を検討

独立基礎を作って鋼製束を立てます。
床下に土間コンクリートを打っていれば束を立てるのも自由自在でしたが
効果とコストに見合わないと判断してベタ基礎・床下土間を見送りました。
束の仕様は独立基礎+鋼製束とします。

束のピッチ

束はプロに教わった知識・ネット・経験を勘案しても居住用住宅においてやはり910mm間隔(ピッチ)がメジャー中のメジャーではないかと思われます。
でも、バランスはあれど「床を支える部材は多いに越したことないのではないか?」と常識を少し疑ってみます。
本数分荷重が分散しますし、例えばスポット溶接でも本数は強度に繋がります。
多いのは正義だと考え本数をできれば増やしたいと思い検討しました。

束の位置と本数

寸法を測ると3案出てきました。

案名束数位置
A案6中心から910mmでピッチで割り振る
B案4捨て貼りの貼り出しから910mmピッチ
C案10中心から455mmでピッチ割り振る
大引き束ピッチ3案画像

A案は余裕を持った案、B案がメジャー案、C案は強化案です。

各案を検討

A案

A案は通常より2本多い余裕を持った本数。90mmの根太を受けるのこれがいいのではないかと思いました。

ポジションはいい感じです。

大引き束ピッチ案画像1-1
束の力を十分に発揮できない?

捨て貼りを貼ると
束が400mm程ジョイントからズレます。
これでば束の力を十分に発揮できないのでは?
2本増やしてもプラマイゼロ?

大引き束ピッチ案画像1-2

反りを見て大引きを入れますので逆に反らないとは思いますがジョイントは安定している方が床に影響は無さそうです。
ダメっぽいです。

なら、捨て貼りを中心から割り振れば?

と思い検討しましたが、それをすると貼る枚数が増えてしまいます。
増える枚数は1枚ですが材料の面積が減り小さい材料が増えます。
これはダメだ。

隣に地続きのリビングがありますしセオリーを無視しただけのメリットが果たしてあるのかというと
束2本だけのために枚数を悪戯に増やして合板の枚数を増やすとか何だコレ罰ゲームか?

大引き束ピッチ案画像1-3

残念ながらA案却下です。

B案

続いてB案ですが普通中の普通。
何の変哲もありません。

大引き束ピッチ案画像2-1

当初からの予定でしたし何の問題も無さそうです。

大引き束ピッチ案画像2-2

でも折角作るんだからもっと良くならないかな?
と思うのです。

C案

ならば910mm間隔ではなく455mmにすれば密度が上がって床材の割り付けも変えなくていいのでは?
と考えたのがこの案です。

凄い・・・強そうだ・・・

大引き束ピッチ案画像3-1
土が穴だらけになる

こんなに独立基礎を打ったら周囲の土はボソボソになりますね。
計算上隣り合う独立基礎は狭い箇所で間が100mm強しか無くなります。
これでは土の締りなど期待もできず
最早残土を大量に出しても全体土間を打った方がいいレベル。

大引き束ピッチ案画像3-2

こんな事するなら部屋全体に土間を打った方がいい
C案却下

で、結局B案

こんなに色々考えたのに普通のB案採用
やはりメジャーな寸法には意味がありますね。

大引き束ピッチ案画像2

下手な考え休むに似たりとはこの事。

仕様決め

仕様を決めます。
基礎打ちの時から予め決めていたのですが念のため再確認します。

ダイニングキッチン全体

打ち増し基礎のフーチングから高さ約300mm
GL(土面)はおよそ20mm~40mm下さがりの320mmくらいです。

大引きまでの高さ

仕様決定

砕石:100mm、板厚:170mmとして束石を70mmコンクリートに食い込ませます。

独立基礎寸法入り設計断面図面

掘削

幅:340mm X 高さ:520mmのバカ棒ならぬバカ板?
これで掘削寸法をチェックしながら掘っていきます。

大引き下掘削

できました。
また残土が増えて・・・

掘削完了

型枠設置

型枠を作ります。
サイズが小さいので使用済みの材料が使えます。

型枠

杭で水糸を張ってみる

エクステリアで地中に杭を挿し水糸を張って作業しているのを拝見しました。
初めて杭を使ってみたいと思います。

廃材を加工しました。

杭

ハンマーで打ち込んでレーザーで水平・垂直を出し、水糸を張ります。

杭を打ってレーザー

レーザーで位置を合わせてハンマーで型枠を叩き込んで埋めます。

独立基礎型枠レーザー照射

こんな感じかな?

独立基礎型枠中心に水糸

全部埋まりました。

独立基礎型枠設置完了

よく転圧して

独立基礎型枠内土をランマーで転圧

OK

独立基礎型枠内土の転圧完了

杭ダメだ

スペースが狭いし、打ち込みが浅かったかもしれませんが杭に体が当たって狂います。
邪魔なんで廃止。
ちょっとイヤだったけど設置した新品の土台に木材を打ち付けて水糸を張り直しました。

杭6本の位置

水糸の位置も角に変えました。

独立基礎型枠と水糸

砕石投入・転圧

転圧した土に

独立基礎型枠内転圧後

採石投入、再転圧。

独立基礎型枠内転圧後に砕石

4か所全て完了。

独立基礎型枠内転圧後に砕石4か所

型枠の位置調整

型枠を正しい位置へ水平・垂直に調整して場所を確定させます。

大引きを乗せる

再び大引きを規定の位置へ置いて

独立基礎型枠上に大引き

大引きから型枠を吊る

こちらも勿体ないですが大引に吊木をして型枠を上から吊ります。

独立基礎型枠固定

糸だらけになる

とにかく大引きの真下に水平・垂直に寸法通りにということでやっていたら水糸がどんどん増えていきました。

独立基礎型枠固定 水糸

チェック

型枠を正しいレベルにセットできました。
過不足がないかチェックします。

独立基礎型枠全固定完了

束石の収まり

下に木材を敷いて束石が水準通り入った時の高さを再現して収まりをチェック。
台座上の縦横に張った水糸に合わせれば束石が正しい位置に収まるように墨をしておきました。

独立基礎内に置く束石

鋼製束も置いてみて収まりをチェックします。
5mm程隙間ができる程度です。
予定どおりOK。

独立基礎内に置く束石と鋼製束

束石の水平

続いて束石が入った時の水平状態を再現しました。
大丈夫そうです。

独立基礎内に置く束石と鋼製束戸水平器

張り出し寸法

束石から50mmづつちゃんとコンクリートが張り出すかチェックします。

OK!!

独立基礎型枠と束石の位置確認1

こっちもOK。

独立基礎型枠と束石の位置確認2

打設準備

コンクリートの体積を測ってざっと必要量の計算をしておきました。
量は大した事ありません。

コンクリート量計算EXCELスクリーンショット

計算した材料を用意して束石は水分を吸わないように予め水に沈めておきました。

独立基礎打設材料段取り

コンクリート打設

では打設開始です。
ポイントは「2回に分けて練る」です。

採石が水分を吸ってしまってコンクリートが水分不足にならないように予め散水しておきます。

独立基礎型枠内の砕石に散水

コンクリートを練って入れていきます。

独立基礎型枠内にコンクリート流し込み

下の墨は厚100mmの印です。

独立基礎型枠内にコンクリート流し込み一定量でストップ

コンクリートバイブレーターで気泡を除去します。
折角あるので使わねば!

独立基礎型枠内にコンクリート流し込みバイブレーター

木コテで表面をならします。

独立基礎型枠内にコンクリート流し込み後木鏝で均し

硬くするため1時間ほど放置します。
季節は春です。

独立基礎型枠内にコンクリート流し込んで放置

放置後1時間

放置後1時間経過
レイタンスを含んだ水が表面に出てきました。
定期的に木鏝でちょっと押さえておきました。

コンクリートを流し込んで放置1時間後の独立基礎型枠内

放置後2時間

放置後2時間後
コンクリートが締まってきましたので再びコンクリートを練って投入します。

再び独立基礎型枠内にコンクリート流し込む

束石をグリグリして水糸に合わせます。

再び独立基礎型枠内にコンクリート流し込んだ上に水平器で確認しつつ束石を置く

周りを埋めます。

独立基礎型枠内に最後までコンクリート流し込んでOK

鋼製束の収まりを最終チェック。
目論見通りになりました。

鋼製束の収まりチェック

もう触っちゃダメ!!
帰ります。

養生7日後

打設から7日経ちましたので型枠を外します。

打設後7日の独立基礎

パカッ
楽々です。

打設後7日の独立基礎型枠脱型

いい感じです。
ツートンになっているのは2回に分けて打設したからです。

独立基礎完成

埋め戻しします。

独立基礎埋め戻し

土をならして終了。

独立基礎全て完成

横から見るとこんな感じです。

独立基礎真横から

上手くいきました。

独立基礎仕上がり後部屋全体

よかったよかった。

【編集中】費用

今回使用した材料の数量と価格を記しておきます。

品目数量詳細単価金額
鋼製束Lタイプ4働き寸法:145~198mm 最大圧縮荷重:41.02kN
台形型束石4上面:15mm X 15mm 底面:200mm X 200mm 高さ:170mm
塗装合板少々端材
木材少々端材
砕石7袋(18kg/袋)転圧用:4袋(72kg) + セメント用:3袋(56.65kg) = 128.65kg
セメント約0.7袋(25kg/袋)18.45kg
約2袋(23.5kg/袋)49.10kg
日数(日)時間(h)費用(¥)
620

まとめ

今回は思い通りの施工ができました。

床解体から基礎補強、土台補強、大引き・独立基礎設置までのビフォー・アフター

素人がどのくらい水平・垂直に独立基礎束を作れるかやってみました。
束自体は高さが違っても沈まずしっかり支えられていればいいと思うのでこんな施工の精度は必要はないと思います。

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