【庭】外の雨水升が穴の空いたバケツになってた件 雨垂れ石を穿つ

外構工事

今まで一度も開けた事がなかった雨水枡を開けると、なんと穴が空いていました。
穴が空いているだけならいいんですがそこから水がダダ漏れで育ちもしないのに長い間家に水をやり続けていたようです。

大引が腐ってた

リビングの床を解体しているとき大引に「?」な物を発見。
ここだけ随分痛んでると思ったら

これは蟻道が無いので白蟻にやられたのではなく水にやられたようです。

こんな状態でも持つんだからそれはそれで凄いです。

腐ってた原因は?

腐ってるは言い過ぎですがこの激しい痛みの原因は一体何かと
廃材を片付けてみると痛んだ大引の辺りだけ土が湿っていました。

ははーん・・・ここから出る水蒸気のやられたなと。

外から水が侵入してきてる?

じゃあ何で水が入って来てるんだ?と思ってたら翌日雨で基礎の隙間から水が浸み出していました。

いやコレ完全に雨水入ってきてるよね?

雨水枡を開ける

雨水が土を介して基礎の下を通って建物内へ侵入している事は分かったんですが原因はベランダのルーフから落ちてくる雨水かなぁ・・・と何となく思ってるだけで事の重要性をあまり認識しておらずリビングの工事を進めていました。

そんなある日外に雨水枡を開けることがあり蓋を外すと

こんな事考えもしなかった

な・・・何じゃこりゃー?!

雨樋で見えにくいですが雨水枡の奥に穴が空いてます。
しかも砂が大量に溜まってます。

空気中の砂埃が屋根等に付着、降雨で雨樋を通って長い期間で堆積したようです。
そういえばこの蓋を開けた事今まで一度もありませんでした。
少なくとも15年近くは掃除されてないかと。
しかしコンクリート製の雨水枡に穴が空いているなんて考えた事もありませんでした。

雨垂れ石を穿つ

ここに雨水枡があって配管を伝って外へ排水される事は勿論知ってました。
生活排水ではないのでわざわざ掃除しようなんて思わずノーマーク、ノー掃除です。
何なら永久機関じゃないかくらい思ってました。
しかし最も想定外だったのは雨水がコンクリートを砕いてた事です。

日本の諺に「雨垂れ石を穿つ」というメジャーなヤツがありますが。
描写は「雨の雫が石を割る」ってことで『小さな努力の積み重ねは思いもよらない強大な事も成し遂げられる』というような意味を持ちますね。

今回は「雨垂れ石を穿つ」 ならぬ「雨垂れコンクリート枡のコアを抜く」です。

石が雨の滴で割れる瞬間を目撃した事ある

余談ですが、当方小学生の時一度だけ本当に雨の雫が石を真っ二つに割った瞬間を見たことがあります。
見た時は「おぉ〜」と感慨深く感じました。
これ以降1度も見た事はありません。
こんな瞬間を見れる事はなかなか無いなと子供ながらに思いましたが、ここまで2度目が無いとは思いませんでした。
作られた結果ではなく、本当に偶然見たこの瞬間は振り返るととても価値のある光景でした。

枡内の砂をさらう

話を戻します。
雨水枡の砂をさらうと枡全体があらわに、穴は綺麗な円形をしてました。

我が家の雨水枡、どうやらこういう枡で側面の薄くなっている丸いところへ排水管サイズにコア抜きして使うようです。

溜桝・改良桝 – 三洋コンクリート工業株式会社

繋がってる他の枡も砂をさらっておきます。

砂は無臭

砂はこんな汚い感じなのに意外にも無臭でした。

枡に穴が空いた理由

雨樋を伝って雨水が降りて来て枡に当たったりして溜まり排水管から日常的に排水されていきます。

何度も何度も雨樋から降りて来た雨水が枡に当たり続け、跳ね、中性化促進、やがてコンクリートの薄い円の部分を貫きそこから水が漏れ出し
徐々に円全体のコンクリートがなくなり今の形になったと推測できます。

枡の砂を完全に消す

高圧洗浄機を使って雨水枡にある砂及び汚れを完全に除去します。

排水管にも突っ込んで砂を全部無くしました。

翌日の乾いた枡がこちら。

枡の穴を補修する

枡の交換も考えましたが大変なので今回は穴を補修するため枡内に新たなコンクリートの壁を立てて穴を塞ぐ事にしました。

下準備

先ずコンクリートを打つ場所の表面をディスクグラインダーで表面を削り、届かなかった箇所はワイヤーブラシで削ってコンクリートがしっかり密着するように目荒らしおきます。

穴の奥に採石詰めてハンマーを突っ込んで叩いて可能な限り転圧しておきました。

2液エポキシ樹脂のコンクリート打ち継ぎボンドを打設面に塗布します。

穴を塞ぐ

どうやって穴を塞いでやろうかと考えたんですね。
で、考えたのがコレ。

先ず枡の壁面に対し斜めに塗装合板を立てます。
次にコンクリートを流し込んで塗装合板を叩いて叩いてコンクリートを隅々まで行き渡らせます。
そしてコンクリートがいっぱいまで入ったら

塗装合板を枡の壁面と並行になるまで押します。
すると行き場を失ったコンクリートが裏の空いた穴の上に上がってきます。

これで穴を塞ぐと同時に枡の壁面に新しい壁が出来ましたので
つっかえ棒をして固定します。

雨水枡補修完了

コンクリートが上がってきた事が以下の写真から分かります。
イメージした通りうまくいきました。

型枠取り外し

2週間後型枠を外すとき、コンクリートが固まって隙間が完全にゼロになり塗装合板が取れなくなってしまいました、失敗です。
逃げ道がなくなる打設では型枠の逃げ道を作っておかないといけない事忘れていました。
こういう場合、後でバラせるように縦2枚に割った塗装合板を使うべきでした。

塗装合板をバールでこじって割って取ったので角が欠けてしまいましたが機能に問題ないのでOKです。

雨水枡の穴は無事塞がりました。

桝の穴を塞いでから1ヵ月後

雨垂れで穴の空いた雨水枡をモルタルで塞いで1ヶ月経ちましたが室内の土の湿りにあまり変化がないような気がします。
何んか思ってたのと違う・・・

少なくとも此処の地中の水分量は他と比べて高い事が土の色から分かります。

桝の穴を塞いでから1ヵ月と10日後(41日後)

更に10日後、一向に変化が見られにのでどうなっているのかと土を掘ってみました。

地中に水分ありますよ!!って感じです。

補修済みの雨水枡を確認

雨水枡の補修に失敗したのかはたまた別に穴が空いているのか再度枡をチェックします。

補修は?

穴を補修した面に割れや隙間は無く大丈夫だと思うんですよね〜・・・

配管は?

配管もちょっと砂がありますが破損は見受けられず排水も出来ているようです。

何だコレ

少し土を掘って見ると

ハッ!!

なんじゃコリャ此処にも穴あけ用のクボみが・・・
あー・・・クボみは全方位あるのね。

内側確認。
うーんセメントは随分流れてしまっていますが穴は空いていないような・・・

枡の状態

補修した雨水枡から今のところ漏水はしておらず他の場所からも漏水はないように見受けられます。

経過観察

原因の特定には至らず水の侵入がある箇所を100mm程掘って経過観察してみることにしました。

掘削してから12日経過。
うーん・・・写真では少し乾いてきているようにも見えますが天候の影響もあるでしょうし何ともいえない微妙な感じです。

過度な期待だったのか?

室内に水が滲み入っている→雨水枡に穴が空いていた→穴を塞いだ→水の侵入が無くなった
という構図になる筈(なって欲しい)という希望的観測が強かったのかも知れません。

原因はもっと複合的?

雨水侵入の原因は1つではなく複合的なのかも知れません。

当初から疑っていたベランダのルーフから流れ落ちる雨水
雨樋はルーフ終端へ等間隔に3箇所雨水を受ける口があるだけでルーフに沿って雨樋は無く
建物の傾斜なのか、設計上なのかルーフの雨水が図の地点に集中して流れ落ちていきます。
コレ昔からなんですよねー・・・

この水量の方が遥かに多いのではないかと。
んで、そもそもなんですが雨が降ったら家の周囲は濡れる訳で水量が多ければ屋内が濡れてくるのは当たり前といえば当たり前なのかなぁ・・・

ベランダのルーフへ雨樋を付けて地中に落下する雨量を軽減しないと解消しないかも。

枡のクボみは塞いでおく

発見したクボみは随分脆くなっているので予めモルタルで塞いでおきます。

スコップで掘削中割ってしまいました。
これは穴が空くのは時間の問題だったようです。

高圧洗浄機で洗って

内側から塗装合板で蓋をして

ワイヤーブラシで表面を荒らして

打ち継ぎボンド塗布

モルタルを塗って下半分を塞いで

上半分も蓋をします。

クボみ塞いで2週間後

微妙な仕上がり。
塗装合板を外してみるとモルタルが垂れてました。

掘削の際に空いた穴はモルタルが入り込み塞がっているようです。

これで更に様子を見ます。

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