以前、玄関の下がり天井を組みました、今回は残りの廊下の天井下地を組みます。
ここは平らな天井(平天)で天井高は2300mm弱で既に旧天井は解体済みです。
廊下を制すモノ間取りを制す?
木製の天井下地を何度かやって少し慣れてきました。
廊下の天井自体は下地を組みだけなら面積も小さくて比較的簡単な部類ではないかと存じますが廊下って多くの部屋に面していて周りが決まらないと手を出しにくいって事を工事していて気付きました。
逆に最初に廊下をビシッと決まれば周囲の部屋も決まるんじゃないかと・・・
しかし当方のようにDIYで少しづつ施工している者にとっては出来そうでだけどやり難い「こっちが決まってからでいいか」みたいに後回しになりがちです。
ようやく天井の下地を組んでも差し支えなさそうな所まで来はしたんですが
我が家の様に柱が傾いて真っ直ぐでは無い家は天井下地と同時に壁についてもしっかり決めていく事が重要だと感じました。
ここが天井下地を組んでいく廊下です。
玄関の天井下地は作成済み
こちらは玄関と階段下付近の天井です。
ここはある程度天井高を高く確保しています。
既にある程度組み上がっており、今回の廊下とは下がり天井で繋がります。
廊下の一般的な幅について
我が家は伝統軸組工法、元々壁は真壁仕様です。
基本的に柱〜柱間の寸法は芯〜芯で910mmで105角の柱が入っているとして仕上がりの壁幅は910-((105/2)x2)= 805
柱の面から面まで幅は805mmだということになります。
ここに壁材云々の寸法が乗って幅が決まります。
建築に携わる方にとっては常識なのでしょうが当方にとってはそうでもありませんでした。
こんな感じなら何も苦労する事なく天井も壁も貼れると思うのですよ。
メジャー級の壁下地
そしてこの様なネットでもよく見る胴縁を横に留めつけている下地、横胴縁というそうです。
これ、ウチに入ってくれた大工さんもやってた。
この方法楽に平坦な壁が作れそう!!、ボードも貼りやすそう、しかも壁への衝撃に一定の強さが伺える・・・いいなぁこれでやったら完成度高くなりそ・・・
これがいいなぁ・・・
廊下の一般的な実質幅
柱の傾きが無いなら胴縁+12mmボード仕様で
805-(16×2)-(12×2)= 749
壁幅は実質750mmが標準といった所でしょうか。
※9mmボード1枚貼りは最近余りしないみたいです
我が家ではそうならない
我が家は一般的サイズの収まりそうにありません。
何故ならば柱が傾いており柱に何も手を加えなければ最大でおよそ25mm程上下で位置がズレているからです。
ということは
805-(16×2)-(12×2)-25 = 724
廊下幅が724mmでイイならば比較的楽に出来そうです。
が・・・狭いな。
補足
厳密にいうと2500mmの高さに対して22mmの傾きで
22mm(22/2500 = 8.8/1000)となります。
要するに1mにつき8.8mm傾いている柱があるということです。
ですが既存柱の起伏や面を考慮して25mmとしました。
廊下の現状
天井下地と壁の通りは隣接ですが真っ直ぐな建物なら天井下地を組んでそのあと楽々で壁下地に移れるんじゃないかと存じますが既に傾きで幅を消費してしまっているのでとにかく余裕がない。
この日のために柱達を待たせていた
廊下の柱は当然ながら各部屋の柱と共有です。
間取り変更もあり数箇所新しく柱が立っていおり、中には未固定の柱もあります。
上記図面の上部を正面から見た写真です。
1本を除いて柱を未だ固定していません。
理由はもちろん廊下の壁の為です。
壁の通りは融通が効く
つまりこの壁の通りを決める為に新しい柱達には待っていて貰ったという事です。
各所入り墨は直角を取りたいので何ミリも動かせませんが5mm位までなら微調整が可能です。
案を考える
では壁の収まり案を具体的に考えてみます。
最も早い方法は?
構造がシンプルなのは?
しっかりした下地は?
一番仕上がりがいい下地は?
幾つか案を考えてみました。
案1:流れに任せた下地
傾き25mmというのは最大なので同じ通りの柱でも中には傾き8mmとかも有ります。
なので柱の傾きに沿って垂直だけ確保して壁を立てるとこうなります。
周りの壁との直角や平行は取れていませんが柱の傾きは最低限吸収され垂直な壁が立ちます。
初期にリフォーム業者の方に提案されていたやり方に酷似しています。
アリな方法なのでは?
案2:やっぱり壁は平行に
そんな平行じゃない壁はイヤだ!という事で通りを25mm全吹かし
直角も取れ壁の出来としては綺麗な仕上がりではないでしょうか。
でも廊下幅が上述通り724mmと狭くなり総面積も更に減少・・・
さて、どうしたモノか
玄関ドアに案が阻まれる
この案2を実行すると壁厚が玄関ドアの枠を楽々超えてしまいます。
枠をかわすなら案1になってしまいます。
いや、玄関ドア交換したいし新しくして枠ズラしてもいいんですよ。
そうなると土間・外壁・柱と触らないといけませんね。
どの道交換っぽいんでコレでやろうかな・・・
部屋内の壁が厚くなると防音にも効果的だし・・・
案をもうひと捻り
もう少し考えました。
玄関ドアの収まりに拘らなければよいのでは?と。
壁の段差を許す
いっそのこと壁の平行を途中まで重視して収まらない箇所は段差を付ければ解決では?
これが一番現実的だと思うんですよね。
玄関の壁が段になっていても何も困らない。
私がリフォーム業者ならこの提案をする!
どうしても起伏のない壁がご所望なら玄関ドアの枠直前でヘコませて解決
玄関ドアは両開きなので施工も楽々。
こちらでも全然OK!
廊下・壁 ここまでの結論
さて、色々机上の空論で考えましたが・・・結論としては
後はやってみないと分からんです。
レーザー当ててみたり水糸張ってみたりしましたがはっきりは分からず実際にやってみた方がよいと考えました。
一応ポリシーとしては
廊下の壁同士は平行を基本とし、柱の傾きで狭くなる事を極限まで抑える。
後は実測で確認する。
です。
吊り木受けで幅を見る
では、吊木受けの角で実際の壁幅を見ながらどの位置が適正なのかクランプで留めて確認していきます。
玄関ドアの枠外に収まる位置を基準にして終端の柱まで水糸を張ると
ここが廊下天井高2287mm(下がり天井の兼ね合いで中途半端な数字)から算出した吊り木受けの面です。
柱が出っ張っている頂点が最大の廊下幅ということになります。
確認の結果
吊り木受けを仮留めして幅を測っていくとやはり1番倒れているのはコレで
2番目がコレです。
この2本です。
なお、対面する壁は柱を新しくして一応通りが出ています。
やはり計算通りこの2本がネックで壁を25mm吹かさないと垂直な壁が立てられません。
やはり廊下幅を極力広く取りたい
出来る事はやる、チャレンジしてこそなんぼ?でしょうか?
やはり廊下幅をなるべく広く取っておきたいです。
理由は言わずもがな、そっちの方は何かと便利だからです。
構造体を削るのは当方の意向に反するのですが片壁25mm吹かす事でのデメリットのが多いとの判断です。
よって、この2本の柱を少し削る事にしました。
スペースは(どうせ狭いんだから)稼げるなら稼げるだけ稼ぎたいと思います。
下がり天井に狂い発生
柱を削ると決めて墨を出し直すと下がり天井の角度と幅に差異が生じました。
隙間は想定内でしたが角度は想定外です。
隙間が想定内だった理由
逆側の柱も傾いていて必ず吹かす事になるので廊下側をギリギリにしても吹かすのは同じで通りがオーバーしていたら下地ごと修正しないといけませんので。
足りなければ足せるように組む時マージン取っておいたんです。
左上の傾いた柱とおおよそ平行を取ってのマージンだったので最悪の事態に陥っても以下のような対処で乗り切れるようにしておきました。
まぁ全部を一度にやればこんな事考えずに済む話なんですが・・・
二度手間が増えるので全体を解体して一気に仕上げないと効率が悪すぎるんですが当方のように素人が少しづつやる場合全解体はちょっとハード高いですね・・・
出来るなら最小で済ませたいとかねがね思っているんですが素人故に手が抜けないというか
コレはちゃんとやったらどうなるんだろう?とかコレこうやったら解決出来るんじゃね?とか、思いついたり色々興味が湧いてきたらやってしまうんですよね。
結局下がり天井を修正
柱を削らず下地を作る想定が削る事にしたので下がり天井の角度がずれました。
ズレは垂れ壁1辺だけなのでにこのままでもいいですがズレているのは気持ち悪いので調整します。
ついでにマージン取っていた垂れ壁も下地で見えなくなる箇所ですが結果的に少し角度がついてしまったので廊下側へ詰めておきます。
ビスを一旦外し角度を修正し、新たに長め・太めのビスまたは別の場所へ打ち込む、本数を増やす等で維持させました。
多分大丈夫だと思います。
修正完了。
ここ見えなくなる箇所なんで通りが合わなかったとき合板を用いて吊木受け用のスペーサーにする予定でしたが廊下側へ詰めておきます。
間仕切り下地は動かしましたが105角の下地は動かさず12mm+9mmの合板を間にかましました。
何だよ・・・結局やり直してんじゃん。
隙間も無くした。
レベルもOK、綺麗に合いました。
通りが決まったので次回は本作業に入ります。
ここまで来るのが長かった。