2階床をどうするかで1階の吊り木をどう吊るかが変わってくるので随分放置していましたが2階床の目処も着いたのでようやくここの天井下地を仕上げる事が出来ます。
要するに吊り木をちゃんと吊りたかったという事で、天井下地を仕上げ、廃材で梁補強、そして壁下地を仕上げています。
グダグダで申し訳ないのですがこれが今回の事実に基づいた作業手順です。
天井下地の野縁取り付け開始
既に野縁受けまで付いていますので今から野縁を付けます。
野縁は壁下地から3mm離しましたがこれでよかったかなぁ・・・
天井の中心をむくらせる
野縁を付けるだけ・・・ではありますが大変重要な点であります。
人間視覚は直線を全く同じように直線として認識出来ず、ある程度錯覚するようです。
つまり真っ直ぐな天井は人間の目には垂れて見えるようです。
まぁなるほどですよね眼球って丸いし、神殿の柱は中程が膨らんでる。
軽天の天井では聞いた事なかったのですがこれ聞いた時には「なるほど!」と思いました。
部屋のイメージは(極端に言うと)球体(らしい)
部屋の通りを人間の視覚的に直線のように見せるなら球体の中に居るようなイメージが理想だとか。
但し床は除外するようです。
極端に表現するとこんな感じ。
むくらせる第2のメリット
天井をむくらせる事によって得られるメリットは天井が平坦に見える事ともう一つあるようです。
それは、本当に経年で天井が垂れてくるので垂れてもいいように予めむくらせておくのだとか。
そして吊り木と野縁の間は10mm程空けておくと万が一天井が垂れても引っ張ることが出来るとか。
なるほど!
いやまぁ、むくらせる事が出来ない軽天の天井下地はそこら中にありますし。
絶対しないといけない事では無い気もしましたが鉄より木材のが垂れてくると思いますので是非やっておいた方がいいと思いました。
どのくらいむくらせる?
じゃあ天井下地をどのくらいむくらせれば良いのか?
以前に大工さんから1800mmで6mmとか聞いた記憶があります。
でも聞いたのが随分前で記憶があやふやだったので確かめようと複数の情報をネットで収集すると色々出て来ました。
まとめるとこんな感じです。
- 6mで15mm中心をむくらせる
- 1800mmで6.6mm中心をむくらせる
- 寸法の200分の1中心をむくらせる(って場合もある)
むくらせる情報を整理
得た情報から1m当たりのむくらせ量を出してみます。
むくらせ基準 | 1m当りのむくらせ量 | 情報源 |
---|---|---|
6mで15mm中心をむくらせる | 2.5mm | ネット |
1820mmで6.6mm中心をむくらせる | 3.6mm | ネット |
寸法の200分の1中心をむくらせる | 5mm | ネット |
1800mmで6mm中心をむくらせる | 3.3mm | 口頭(記憶が曖昧) |
むくらせは部屋の短手・長手どっちを基準に?
部屋って正方形じゃない場合もありますよね。
じゃあ部屋が長方形な場合、縦横どっちの長さに基準を適用すればいいのか疑問です。
我が家のダイニングキッチンは間取り変更後やや狭くなり現在、短手2592mm、長手3489mm
長手?短手?どっち?
今回適用するダイニングキッチンで長手と短手のむくらせる量を計算してみると以下のようになりました。
むくらせ基準 | 1m当りのむくらせ量 | 長手3.4mなら | 短手2.6mなら |
---|---|---|---|
6mで15mm中心をむくらせる | 2.5mm | 8.5mm | 6.5mm |
1820mmで6.6mm中心をむくらせる | 3.6mm | 12.24mm | 9.36mm |
寸法の200分の1中心をむくらせる | 5mm | 17mm | 13mm |
1800mmで6mm中心をむくらせる | 3.3mm | 11.22mm | 8.58mm |
廊下の天井で考えてみる
長い天井下地なら廊下だろうと、廊下の天井下地で考えてみました。
しかし、野縁受けの長さは790mm程でこの木材をむくらせる事は短すぎて、ほぼ不可能でした。
もし、細かく反りを見て野縁受けを入れても連続した自然な曲線など描けない、無理だ。
じゃぁ廊下の天井はむくらせられないじゃないか?
というかそもそも幅が910mm以下なので中心に吊り木もつけない幅しか無いのに中心を摘めないのでむくらせるとか不要?
ダメだ、対象が適切ではないようです。
部屋の形を畳の構成から考えてみる
別の視点から考え直してみます。
在来工法では畳の構成が部屋の縦横寸法の手がかりになりそうだと考えました。
てか、昔の床は畳だったし。
4畳半〜10畳の畳の構成を我が家も参考にしながら描いてみました。
これを見ると4畳半と8畳は正方形、6畳と10畳はおよそ6対4の長方形
そして、部屋の幅は最低でも2730mm程は有るという事が分かりました。
※地域によって寸法の差あり
むくらせる基準は部屋の面積か?
この4畳〜10畳に寸法と面積を出すと以下のようになりました。
- 4畳半:約7.45㎡
- 6畳 :約9.93㎡
- 8畳 :約13.24㎡
- 10畳 :約16.56㎡
部屋単位のむくらせ基準
長さに対してではなく部屋のサイズでむくらせる基準があるようで
- 6畳間:9mm
- 8畳間:12mm
- 10畳間:15mm
上記情報を基に1㎡当たりのむくらせ量を出してみると約1.1mmでした。
また6〜10畳の出た数値から4畳半も(ちょっと端数が出ましたが)算出してみました。
部屋広さ | 部屋の面積 | 天井むくらせ量 | 1㎡あたりのむくらせ量 |
---|---|---|---|
4畳半 | 7.4㎡ | 7(6.7)mm | 1.1mm |
6畳 | 9.9㎡ | 9mm | 1.1mm |
8畳 | 13.2㎡ | 12mm | 1.1mm |
10畳 | 16.5㎡ | 15mm | 1.1mm |
こちらもネット情報なので何らかの条件があるのかも知れませんしそもそも間違えている可能性だってありますが6畳、8畳、10畳共1㎡あたりのむくらせ量が同一になるのは興味深いです。
むくらせる量は9mm
大工さんに聞いた1800mmで6mmという記憶は合っていたっぽいです。
また当該部屋はおよそ6畳で総合的に見て9mmむくらせるというのが最適ではないかという考えに至りました。
天井下地の中心を実際にむくらせる
では実際に天井下地の中心をむくらせていきます。
最も中心に近い野縁受け水平レーザーで確認しながら9mm吊り木をクランプで挟みむくらせて
ビスで留めました。
ちなみに後で調べると下から棒で上げるのが一般的なようです。
中心を吊ったことで自然な楕円になったはずなので、あとは910mmピッチで全体に吊り木を付けていきました。
梁を入れる
写真ではちょっとわかりにくい場所ですが今まで基礎が無かったので梁が入っていませんでしたが
このように基礎を打ったので
ここに梁を入れようと思います。
やり方はケースが同じなので以下の大工さんが施工してくれた補強を踏襲すればいいと考えました。
使うのはこれ
撤去した土台で105mm角あります。
ちょっと梁せいが頼りないかも知れませんが古の材料は硬いし捨てるのは勿体ないですのでコレ使います。
採寸して入れます。
下から受ける90mm角の杉材これも端材です。
もう片方は105mm角の大引受けこれも余りです。
適したコーチボルトだけはありませんでしたので3本購入です。
補強済みの梁側面へ2本、今回取り付け梁へ1本
コーナー金物も付けて
大引受け金物のビスを打って
最後にかすがい
できました。
本物と偽物の仕事を比較
かすがいが甘いですね。
天井下地の野縁を付ける2
303mmピッチで野縁付けていきます。
真っ直ぐ付けたいのでレーザー光を当てて付けていきます。
なお、石膏ボードのジョイントになる位置には60mm幅、ならない位置は40mm幅、厚みは27mmの野縁を付けています。
垂直に打つビスは51mm長のコーススレッドです。
吊り木は中心に付けたので一部多くなっていますが基本910mmピッチです。
まだまだ吊れますがもっと吊っていいのかなぁ?
まぁこれでいいのではと。
壁下地の胴つなぎ
仕上げに壁下地の胴つなぎを303mmピッチで入れていきます。
傾いた柱をかわして
胴つなぎをコンコン入れました。
0.5mm単位で加工しましたのでビス留めせずとも落ちません。
対面するタイル付き土壁にも
壁下地をビス留め
胴つなぎを51mmの細いコーススレッドで斜め打ちして留めていきます。
狭い所はL形アダプターで
傾いた柱をこちらも避け取り付け
壁下地やっと完成
もう片方の壁も
壁下地のビフォー・アフター
壁解体当初と現在の状態です。
天井下地仕上げ
あー面倒くさいですね、天井やったり壁やったり。
野縁の両脇を斜めにビス留めして仕上げです。
やっと天井が出来ました。
天井下地のビフォー・アフター
前の天井下地と現在の天井下地です。
ダイニングキッチン全体のビフォー・アフター
解体直後と下地を組んだ現在の状態です。
ここまで長かった・・・でもまだ終わってない。