【2階】防音対策 土壁を塗り継ぎ フロア全体

2階土壁上部を下地の小舞竹を編んで桁下まで塗り継ぐ 防音対策

築50年の古民家と言われるようになった一戸建てを素人がDIYリフォーム中です。
素人といっても今回のリフォームで色々経験を積みましたのでズブの素人というレベルではなくなっています。
現在は2階を施工中で主に天井の断熱をやっています。
しかし断熱工事も去ることながら防音工事も本物件に関しては重要で今回は防音効果の向上を主たる目的として建築当初には塗られていなかった高さまで土壁の塗り継ぎを行います。

2階の土壁は上が欠けている

写真は2階の桁上断熱施工中の写真です。
土壁が塗られていますが途中で欠損しています。
ここへ土壁の下地を組んで塗り継ごうという考えです。

この土壁が欠損している高さまでが室内でそも上端部に天井がありました。
こういうお家はよくあるようですが建てる人によって違うようで当方の田舎の家は桁まで土壁が塗ってありました。
要するに「見えない場所に土壁要らないよね?だって面倒くさいだもん♪」って事で塗られていないのではないでしょうか。
ちなみに1階も同様にこんな感じです。

まぁ合理的に考えて要らないってのは分かります。

こんなに空いていたら音が漏れてくるじゃないか!!

いやまぁ、どのくらい影響があるのか分からないんですが居住空間の壁内がスカスカであれば外からの音はダイレクトに入ってくるでしょう。
それはイヤだ。
我が家の外壁は防音性能を重視しています。
とくに以下の図面で見る左側。
なお、サッシ周りは交換予定なので今回の塗り継ぎ対象から除外します。

写真でいうとこんな感じの所です。

壁は真壁から大壁にしますがコストと防音を考えて基本的に内部に土壁を残し壁内結露を出さないため断熱材無しが悩みに悩んで最良と判断しました。

あと、本2階に施工した桁上断熱の邪魔にはならないと思います。

【2階】天井を断熱するゾ#10 残りの部屋も桁上断熱を仕上げる
天井の上にもう1層別に桁の上に断熱層を作る「桁上断熱」という断熱方法を採用し、建物の構造上断熱材が薄くなってしまう箇所は位置を桁中まで下げ「桁中断熱」とします。

土壁の良い点・ダメな点

今時土壁って・・・てのはありますが住んでいたら土壁は良い面もあって

  • 調湿してくれるので湿度が程良くてムシムシしない
  • 蓄熱してくれるので冬は暖かく夏はエアコン無しでもそこそこ涼しい
  • 防音性能まぁまぁある

夏は熱を奪ってくれるので適度に温度が落ちます。
冬は暖房を付けて部屋が一旦暖まると土壁が蓄熱してくれるので温度が長時間一定です。
※ガス暖房がオススメ


土壁自体が重いので防音性能(主に遮音)が効いて(欠損部分があれば多分音漏れしてると思いますが)基本的には外からの音をよく遮ってくれます。

逆にダメな点は

  • 土がボロボロ落ちる汚い
  • 壁のビジュアルが・・・
  • 断熱なんてムリ過ぎ

もうね、壁に当たったりしたら壁材が落ちるし傷付いたりするとみるみる見た目が悪くなります。
昔からこれが嫌いでした。
断熱については言わずもがな性能は皆無です。

リフォーム後の壁仕様は

土壁では断熱性能が向上しないし石膏ボードを貼って真壁から大壁にする事で蓄熱と調湿機能が落ちますが防音対策として残した土壁の上から貼る壁材は「12.5mmスーパーハードボード」と「9.5mm通常石膏ボード」の2枚貼りを予定しており、土壁と同様調湿機能にある程度は期待しています。
また、クロスも調湿性能がある程度ある物で出来ればと思っています。

土壁の構造

我が家の土壁の構造についてお伝えします。

化粧は剥がしていますがこれが土を落とす前の土壁です。

土を落とすとこのような下地になります。

土壁の下地の各部名称

この土壁の下地は「小舞竹」または「竹小舞」というようです。
等間隔に貫(ぬき)と呼ばれる30mm厚程の木材が柱を文字通り貫くように入っており、こちらも等間隔で丸いままの竹「丸竹」が穴に差し込まれ、割った竹「割り竹」を丸竹間に複数枚格子状付けられ「小舞縄」で編み込まれています。

なお、丸竹は貫に釘で固定されています。

小舞縄の編まれ方

小舞縄は丸竹に螺旋状に巻かれています。

各部の位置・ピッチ

ちなみに貫はおよそ910mmピッチで柱へ挿し込まれていて

更に丸竹が貫の間に2本挿し込まれており
物件によっては3本以上の所もあるようです。

縦の丸竹は910mmの間に3本差し込まれています。

土壁の土は再利用できる

土壁の壁材は藁を含んだ粘土質の土と竹です。
土も竹も再利用できるという優れ物です。
この日のために落とした土壁を竹と一緒に保管していました。
ようやく出番が来ました。

小舞縄も保管していたのですが元々古いので切れやすく長い物は別の場所で使ってしまい今回の施工面積ではどう見ても足りなくなりました。

なので今回は新しい縄を購入しました。
最初は「荒縄」という名前で販売されていた太さ4.5mmの物を購入しましたが途中で太さ4mmの小舞縄という土壁専用の物を買い直しました。

小舞縄の方がメーター単価が6倍になるという高額でした。
土壁を知る職人さん曰く価格が太い方が安いというのは普通な様です。
細い方がコスト高だということです。
メーカーが違うのですが荒縄のが確かに太いんですが安いのにしっかり編まれていてクォリティ高かったです。

土壁下地を追加して編む

構造は上記の通りなのでそのように追加して編めばよい、というかそれしかないので小舞竹を編んでいきます。

既に縦の丸竹は桁に挿さっているのでこれに当てる形で柱に10mm程の穴を空け横の丸竹を挿し割り竹も一緒に小舞縄で巻いていきます。
終端は玉結びで完了。

横にも割り竹を当てて横の丸竹と一緒に巻いていきます。
こちらも最後は玉結び。

これをガンガン繰り返して

部屋内も

地味に指が痛い

土壁材を練る

では、落とした土壁を再び壁に戻します。
水を適量加えてハンドミキサーで

練るとたちまちペースト状の粘土に早変わり

ちょっとピンぼけしてました。
写真がコレしかないのでご容赦ください。

土壁材を壁に塗り継ぐ

では、塗っていきます。

先ず塗り継ぐ既存の土壁をしっかり濡らして

土壁の濡らし完了

厚みだけ取れれば見た目は荒れてて全然いいので1回塗りで完結させます。
ビニール手袋を付けた手で材料を下地へ押し付けてめり込ませペタペタ貼り付けてから木鏝で均していきました。

塗り継ぎ翌日

翌日の土壁の状態です。
少しヒビが出てきました、これは正常です。
順調です。

経験上およそ1週間である程度乾燥します。
それまでは周辺も含めてあまり触らないようにします。
ガチのカチカチになるまでは1ヵ月程かかります。
以前は綺麗に仕上げようとマスカーで壁面を養生して大変な事になりましたので今回はマスカーは無し、普通にやります。

【トイレ】防音対策 土壁を塗り継ぎ 初めての小舞竹編み
土壁の中には竹が入っていて綱で編んであり、小舞竹というようです。これを再現して土壁が塗られていない場所に土壁を塗り継いで防音効果を高めたいとと思います。

防音効果は?

防音効果の向上は順調です。
外からの音が更に聞こえにくくなりました。

次は内装下地です。

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