ダイニングキッチンのDIYリフォーム(chapter3) #基礎補強 -調査・立案・設計・掘削-

ダイニングキッチンDIYリフォーム 基礎補強

ダイニングキッチンの床リフォームのはずが剥がすと基礎割れを起こしていました。
このままの状態で上から床を貼っても根本的な解決にならないとの判断で基礎の補強をする事にしました。現状を把握して当方が出来る最大限の施工方法で問題を解決したいと思います。

床解体後のダイニングキッチン
床を解体した対象のダイニングキッチンです。

DIYコンクリート打設履歴

当方素人ですが今回で比較的大き目のコンクリート打設は4回、内基礎は3回です。

施工順施工名打設量(立方メートル)
1ユニットバス土間(およそ総面積の3分の2)0.1
2玄関・廊下基礎補強0.3
3ユニットバス隣接大引き下に基礎打ち0.2 ※捨てコン含まず
4ユニットバス隣接場所基礎新規作成0.5 ※捨てコン含まず

5回目となる今回はコンクリートの量が最も多くなるのは明白です。

補強基礎の仕様(希望)

先ずはネットで出てくる標準的な寸法を参考に決めた仕様で手書き図面を(汚い図面ですみません)描きました。
まだ構想段階で「こう出来たらいいな」という希望の元描いています。

手書きの構想図面

基礎の調査(テスト掘削)

ここの基礎はどうなっているのだろう、希望する仕様がマッチするのだろうか?
事前に調査してどこくらいの深さまで掘れるのかどういう形にすればよいのかを1か所掘削して確認したいと思います。

一部サンプル掘削
補強対象の基礎に隣接する一部を掘削しました

調査結果

掘削した結果フーチングがすぐ出てきました。浅いしフーチングは薄いし弱そうです。

現状基礎概略イラスト

墨出し

2回目の「玄関廊下基礎補強」ではほぼ思った通りの高さに基礎を打つ事に成功しました。
4回目ではほぼ完ぺきに水平かつ考えた高さに思い通りの基礎を打つ事に成功しました。
ここで思ったのはやはり正確な墨出しがあったからこそ出来た事です。
今回も墨だしをしっかりして施工していこうと思います。

墨だしの方法は

床の収まり位置から下へ墨だしして固定いく方法がやりやすかったので今回もこれで行こうと思います。

四隅の高さ(レベル)を出して木材を掛ける

他の場所で床の高さ(レベル)は決まってますのでそれに準じて土台・大引きの高さで墨出しします。
そして、基準用に今までは勿体なくて端材でやっていたのですが今回はちゃんとした材料を使います。

レーザー墨だし器で水平確認

木材はやや正確性に欠けますが水糸だと引っ掛かって切れたり、たるんでしまうと面倒なので最初は木材を使う事にします。
これだと定規が当てやすくてやりやすかったです。
型枠をセットする際には水糸を張る予定です。

大引きと根太の収まりイメージ

周囲を回している胴縁の下が根太と大引きの間になります。

四隅の木材掛け

四隅に木材(LVL材)を打ち付けて胴縁を乗せています。

基礎補強対象の水平を木材で出す

基礎周囲を胴縁で囲んで高さの基準が出ました。

補強基礎イメージ

補強のイメージを写真に重ねるとこんな感じになるのではないかと思います。

補強基礎イメージ

淡い期待は簡単に打ち消される

ネットでもいろいろ調べたのですが強くて深い基礎を補強で入れようと思えば基礎を切って新しい基礎を抱かせるのが強度向上に効果的なようです。
しかし、素人が外周基礎のフーチングを切るなんて既にクラックが3本入っているし、失敗すると家が傾いて戻せないとか致命的な事になりかねません。
流石にそれはダメすぎるので断念します。

既存基礎のフーチングを切って補強するイメージ

補強基礎の仕様変更(現実)

既存基礎のフーチングを新規基礎の捨てコンとして扱い、新規基礎を載せる形に仕様変更しました。
また汚い図面で恐縮ですが実際に描いたものです。

手書き図面

今回も前回と同じく掘削する縁に木材を置いて土が崩れにくいようにして作業します。

掘削

では掘削します。掘る箇所は以下のとおりです。

ダイニングキッチンの掘削箇所平面図


先ずは土台の高さ(胴縁)からおよそ740mmの深さまで掘削します。
掘削する幅を木材を固定してガイドにします。
この方法は私が勝手に考えて実行しているもので、以前もやったのですがある程度真っすぐに掘削できるのと際の土が崩れにくくなるのがよかったので今回も採用します。
幅は、新規基礎立ち上がり幅:120mm・新規基礎フーチング幅:165mm・余白:100mm = 385mmを掘削します。

掘削範囲を木材ガイドで間仕切る

解体したときに出た木材をガイドにして掘削します。
真っすぐだと綺麗で気持ちがいいです。

コンクリートハンマーで掘削

またまた登場した友人から譲り受けたリョービのコンクリートハンマーです。
こんなの自分で買う気がありませんでしたので友人に感謝です。
六角シャンクで先端をショベルに取り替えて掘削します。

コンクリートハンマーで土を起こした状態

ガイドに沿ってコンクリートハンマーで切り込みを入れていきます。

手箒でフーチングを掃く

フーチングの状態も確認したいので「手ぼうき」で土を掃いていきます。
遺跡の発掘みたいです。

立ち上がり寸法400mm

やはり立ち上がりの高さは場所により差はありますが400mm程度です。

掘削深さを上記で確かめる

掘削の深さは胴縁から740mmで概ね正確にできました。

掘削墨

外周側の掘削できました。

掘削墨

土台が載っていない外周の掘削できました。

掘削墨

掘削完了全体です。

フーチングが無い・・・だと?

外周ではなく家の中を走っている基礎ですがフーチング(底盤)がありませんでした。

フーチング無の箇所をマーク
フーチングなしの布基礎

フーチングが無い布基礎も種類として存在するようですが、このくらい打ってて欲しかったです。

フーチングなし布基礎の底部分

どうみても無いですね。
それにしてもジャンカがすごい・・・

フーチングなし布基礎を上から見た写真

真上からみた写真です。

基礎が割れた理由

掘削していくと亀裂3箇所の土に隠れていた部分も全て露わになり亀裂が入った理由がわかってきました。
割れた瞬間を見た訳でもないので推測の域は出ませんが各々3つは関連していて、トリガーは地震、割れた箇所は周辺で最も弱い箇所が割れ、建物の重量負担により基礎が動いた
だと推測します。

掘削済み
各基礎亀裂の状態と動いた状態を推測
ジャンカの出来た基礎

ジャンカが出来ている箇所から亀裂が入っています。
なぜジャンカが悪いかが良く割る事例でした。

亀裂から上がった基礎

右が下がったのではなく左側が上がった模様です。写真では左下の亀裂が木材で切れていますがフーチングまで入っています。

弱い箇所から亀裂が入った基礎

フーチングが周囲で一番短い箇所から亀裂が入っています。
脆弱箇所がボトルネックになる事がよくわかりました。

  1. 地震で家が揺れる
  2. 脆弱箇所が割れる
  3. 割れた基礎が外的要因の影響で動く

おそらくこんな感じではないでしょうか。

本考察で予見できること

強度が弱い箇所では強度の閾値に達するのが早く達したら弱い箇所から破損していく。
これは建築だけではなく全般的に言える事で、当然といえば当然ですが実際に自分の目で見ると真実味があります。
ここから言える事は

  • 他にも同じような弱い箇所があればダメージが発生する可能性あり
  • 閾値は上がるが今度は補強した周辺が最もダメージの出やすい箇所となる

だと言えるのではないかと思われます。
今後の工事で頭に入れておきます。

追加調査

手ぼうきで掃いても正確な厚みが見づらく目視で確認できませんでしたので全辺の既存基礎フーチング厚を調べます。
テスト掘削である程度調べましたが建築当初の施工品質は今までの経緯から信用できませんので全辺のフーチング厚をしつこく調べておきます。
なお、フーチング真下の土を掘削する事は避けたいので千枚通しを使って刺して確認しました。
「硬いのに当たったらフーチングあり」、「当たらなかったらフーチングなし」で判定します。

千枚通しで突いて基礎の存在確認
刺した手応え判定
硬く千枚通しが通らないフーチングあり
ズルズルと千枚通しが入るフーチングなし

基礎全方位フーチング厚み検証結果

厚みは当初と少し変わり薄い場所では30mm~最大でも60mm程度の不揃いなフーチングだという結果になりました。
今までも別の場所で何度か見ましたが既存基礎のフーチングは型枠に入っていたような直線の形状はしておらず土に捨てコンなしで直接打設したような波打った形状をしています。
印象としてはやはり脆弱に見えます。

縁が波打つフーチング

補強基礎の仕様変更(アップデート)

掘削後の状態を鑑みて仕様を少し変更しました。
フーチングはもう少し長くするかもしれません。

基礎補強の仕様変更後

次回、捨てコン打設です

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