外壁補修 業者補修の補修 (前編) -Uカット工法-

外壁補修から塗装までの遷移 外壁補修

外壁補修の経験をだいぶ積んでレベルアップしてきました。
はじめは外壁を切るなんてとんでもない!!壁が落ちてきたらどうすんの?
出来る事なら極力触らず補修を終わらせたい」と、思っていましたが補修をやっていく壁の構造も理解が深まりどうすればいいか分かってきました。
今回は昔業者がシーリング工法で補修した跡が劣化してきてひび割れ(クラック)が見えてきているのでUカット(Vカットでも可)工法で補修していきたいと思います。

本施工の優先順位

  1. 外からの水の侵入を防ぐ
  2. 壁の強度を出来る限り戻す
  3. ひび割れの痕跡を消す

行う施工の要旨

  • 内部は柔軟性のある変性シリコンで壁同士を接着
  • 外を樹脂モルタルで覆う

ひび割れを確認

20年程前業者がシーリング工法でコーキングしたモルタル外壁のひび割れ(クラック)が露出してきています。
コーキングが剥がれてきてモルタル同士の接着も弱くなってきていますので補修のため
先ずこの古いコーキングを剥がしていきたいと思います。

シーリング工法で昔補修され劣化した外壁補修跡

赤の枠辺りにひび割れがありコーキングをされたようです。コーキングが経年で劣化して最早効いていません。

クラックが発生したモルタル壁の断面イラスト

モルタル壁の状態をイメージにしてみました。
ひび割れが発生している断面図です。

クラックスケールなるものが便利

クラック(ひび割れ)の幅を測ることができる代物です。

クラックスケールで外壁のクラック(ひび割れ幅)測定

0.3mm以下ならヘアークラック、0.4mm以上なら構造クラックの疑いという事らしいです。

ひび割れに沿って浅く切り込みを入れる

ディスクグラインダーでひび割れに沿って浅く切り込みを入れていくとひび割れの程度が分かってきました。当然ですが、モルタル自体を切ってしまわないように注意して作業します。
また、ディスクグラインダーも素人には大変危険な電動工具ですので安全な装備十分注意して作業します。

外壁の状態確認も兼ね、ひび割れに沿ってダイヤモンドカッターを入れていく

ひび割れの程度が確定。
これはモルタル壁自体が割れている「構造クラック」。
コーキング+樹脂モルタルで補修コースと判断しました。

クラックをダイヤモンドカッターで広げたモルタル壁の断面イラスト

ひび割れの表面を広げました。

表面を削る

ひび割れを中心にして左右20mmずつ程度の範囲で塗装とモルタルを数ミリ削っていきます。
この面が広いほど後で塗る樹脂モルタルの付きがいいと思います。

外壁のひび割れ周辺を削る

ひび割れのを中心に壁を薄く削っていきます。

樹脂モルタルを塗る空間を作るためクラック周辺の表面を削ったモルタル壁の断面イラスト

樹脂モルタルを塗る空間を作りました。

更に切り込みを入れる

今度はコーキングを充填するための溝を彫っていきます。ここでもモルタル同士の縁を切ってしまわないように注意しながら進めていきます。

外壁のひび割れ更に切り込みを入れる

コーキングが細いとそもそもくっつかないので接着力が十分発揮できるくらいの厚みを確保します。

樹脂モルタルを塗る空間を作るため更にクラック周辺の幅広げ削ったモルタル壁の断面イラスト

コーキング剤用の切り込みを入れました。

掃除

モルタルの屑やゴミ昔のコーキング剤・モルタルの削り粉など付着していては接着力が弱まりますのでキレイキレイします。

ダイヤモンドカッターでひび割れに沿ってつくった溝をカッターで綺麗に掃除

カッターナイフで挟まったモルタルを取ったり。

ダイヤモンドカッターでひび割れに沿ってつくった溝をエアダスターで綺麗に掃除
※これは別の場所です

エアダスターでホコリや異物を除去したり。

ダイヤモンドカッターでひび割れに沿ってつくった溝をナイロンブラシで綺麗に掃除

水を付けたナイロンブラシでこすったりしました。

ダイヤモンドカッターでひび割れに沿ってつくった溝に付着した汚れを雑巾で拭きとった跡

最後に雑巾で拭いた付着物です。

プライマー塗布

コーキングを充填する前にプライマーで下地を作らないと接着されませんのでプライマーを塗布します。

コーキング前の下処理としてプライマー塗布

刷毛で本剤を塗って、20分~30分乾燥させます。
作業が終わり刷毛を洗う時はラッカー入りの薄め液でないと溶剤が凝固してしまい刷毛は使い物にならなくなってしまいます。
ちなみに本製品は油性ですが刷毛は水性の安物を使っていますがちゃんと油性を使って管理した方がいいと思います。

樹脂モルタルを塗る空間を作るためカットしたクラック周辺にプライマー塗布を示したイラスト

コーキング剤が充填される面にプライマーを塗布します。

コーキング剤充填

ひび割れに滞りなく奥まで充填します。
奥までしっかりコーキング剤を押し込んで「二度と水が入らないように」かつ「モルタル同士を接着」していきます。
結構握力を使います。

外壁のひび割れに奥までコーキングを押し込む

兎に角コーキング剤を奥まで奥まで押し込みました。隙間が極力できないようにコーキングガンで丁寧に充填です。

外壁のひび割れにコーキングを充填して均す

充填したコーキングをヘラで更に押し込みながら均して行きます。

シーリング工法用(コーキング)道具

基本的に写真にある銀のヘラを使っています。
当方はこのサイズが便利でした。
置いてないお店がないくらいホームセンターに置いてありましたのでどこでも買えると思います。
あと局所で写真にある樹脂製のヘラ(SK11 ソフトコーキングヘラセット 4本セット)を使っています。
普通のヘラでは対応できない箇所や仕上がりが良くなる箇所がありますので便利です。
なお、コーキングガンについては当方のは最も安いものです。もっといいものは容易に良い施工が出来るかもしれませんが当方ずっと使うわけではないので購入しませんでした。

ダイヤモンドカッターで広げたクラックにコーキングを打った断面イラスト

ひび割れ箇所にコーキングを打ちました

4本セットで価格も安いので使い捨てと考えて買いましたが劣化はしていきますが結構長く仕事してくれています。
樹脂のヘラはよろしければ下のリンクでご確認できます。

細かく構造クラックなひび割れを起こしている箇所ってもうダメなんじゃ?

1本線でひび割れ(構造クラック)が走っている場合はいいとして細かく構造クラックが発生している箇所って「クラック箇所を全部取ってやり直した方がいいのだろうか?」と思う事があります。

が、よく考えました。

  • 表面化している箇所のみ構造クラック発生しているとは限らない
  • そもそも本施工で強度が足りないなら施工自体が成立しない

と、考え密集した構造クラックがあっても

壁とくっついていればいいんじゃね?

  • 壁面から剥離していない
  • 壁面を叩いたり動かそうとしても動かず剥離もしない
  • 壁面を叩いて軽い音がしない

で、あれば補修可能対象としました。

砂を吹き付ける

コーキング剤の上に息で吹いて砂をくっつけます。
「サンドプラスト」というそうです。
名前がカッコいい!!
乾燥後上から樹脂モルタルを塗ります。そのためコーキング面と樹脂モルタルが滑ってしまわないように砂の粒をめり込ませておくとがっちりと樹脂モルタルがひっつきます。

ひび割れにコーキングを充填した後砂を吹き付ける

コーキングを打ったあと手に砂を乗せて息を吹きかけますと砂がひっついてくれます。
吹くと砂が無駄に結構落ちますがしょうがないです。
息だけでは食い付きが浅いので砂を少し押し込んでめり込ませた方がいいかもです。

砂を箇所に向かって投げたり、手に持って押し付けたりしましたが最終的に吹き付けるのが一番綺麗にいく感じでした。

ダイヤモンドカッターで広げたクラックにコーキングを打った表面に砂を吹き付けて後の樹脂モルタルの定着をよくする

コーキング剤の上に砂を吹き付けて次工程の樹脂モルタルの着きを良くします。

一旦乾燥期間へ

ここで一旦乾燥期間に入ります。
コーキングが乾燥で痩せる(体積が減る)ので
これ以降の作業は思うに1週間以上
私は20日空けました。

コーキングが痩せた弊害

こういう現象には膨張や収縮といった抗えない力があり、既存のモルタル・次工程で塗る樹脂モルタルとの密着性を無くしてしまう可能性を懸念しましたので極力避けたいと考えました。

なお、製品の説明書きには「塗装は皮膜が安定してから7日以内に行ってください」とあります。
密着性が悪くなるという点は憂慮する事態ですが

  • 本箇所は塗装とは若干違う
  • 施工してからコーキングが痩せる方が困る
  • 砂を吹き付けているので密着性は砂に依存できる
  • 樹脂モルタルの強力なプライマーを塗る事になる

ので、無視しました。
また、DIYでコーキング後7日以内に塗装しろとかマジで不可能ですのでやっぱり無視しました。

次回、樹脂モルタルを塗って塗装します

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